2016年08月24日

桜小町

ひやめし冬馬四季綴 桜小町
米村圭伍   徳間書店   2010.2

 遠江国海棠藩の下士の「冷や飯食い」一色冬馬22歳の婚活騒動。
 一色家は先代は中士であった。訳あって下士に落とされる。
 当主の弟つまり冷や飯食いでは一生まともに暮らせない。うまく他の家に婿入りできればよいが、下士の冷や飯食いではそれも難しい。
 そんな冬馬が、二番家老の娘に恋をした。美しい高嶺の花で、もし恋が実れば、家老になれるかも、というのだが、話が進むうちに、父の降格にまつわる過去の事件も絡み、大事件になっていく。
 二番家老の二番目の娘が、美しくはないが聡明で、冬馬をリードする場面もある。意外な展開が多く、楽しめた。
 米村圭伍の作品は、いつも貧しい武家の生活ぶりが詳しい。今回の一色家は百俵取りで三代5人が暮らす生活。

「ふくら雀」という続きがある。前半はだらだらして、途中で投げ出してしまった。間を置いて、あらためて後半を読むと、少し山がある。読み終えたが人に勧めるほどではない。
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2016年08月15日

トリックアート美術館

トリックアート美術館

 8月11日、山の日である。
 高尾山のビアーガーデンに行くことになった。4時に京王線高尾山口に集合予定である。
 はじめ、山に登りビアーガーデン前で待つ予定でいたが、時もときなので、満員の可能性もある。そのときは場所の変更も考えられるので、駅前に集合することにした。
 地図を見ていたら「トリックアート美術館」がある。2時過ぎに高尾山口に到着し、美術館に入ることにした。

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 氷川神社の鳥居の向こうに美術館が見えた。背中の方には駅があり、駅の向こうに氷川神社がある。

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 入り口は上の写真の中央近く、像の下あたり。右の方の二階はオープンカフェテラス。
 左の方へまわったため、シャッターもしまっており、休業中かと思わせる。

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 右の方へ行くと、最初のトリックアート。今ではどこまで本物だったか、覚えていない。この日は曇り空だったことを覚えている。この少し右に入り口がある。そこから階段を上がる。
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 階段を上がると、正面に絵を描いている人…、

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 入り口に到着、両脇の照明には影がない。右は自動販売機。テラスの方になる。
 以下、説明は省きます。どこが本物でどこがトリックか、あなたの眼力をためしてください(^_^)。 (わたし自身が判らなくなっている)

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 最後にテラスで、熱いコーヒーを飲んで集合場所に向かった。
 正味一時間。時間があればもう一回りしたかった。
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2016年08月12日

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?
東川篤哉   文藝春秋   2012.9
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 あえて言えば題名に偽りあり。
 八王子署の若手刑事小山田聡介は、上司の椿木綾乃警部とともに、殺人事件の捜査に当たる。
 犯人は…、読者は判っている。倒叙推理形式だから。犯人と小山田聡介の知能ゲームとなるのだが、小山田聡介は見かけは冴えなくて、犯人に名前も覚えてもらえないほど。実は鋭いところもあるのだ。
 捜査の難しさは犯人を絞り込むまでで、本来は相当の苦労をするはず。
 ところが、殺人現場にはいつも美少女家政婦マリィが現れる。これが魔法使い。魔法使いが魔法で犯人を教えてくれるのだが、そのままでは逮捕できない。裁判官を納得させる証拠がないからだ。
 そこから犯人と小山田聡介の「刑事コロンボ」を思い出す知能ゲームとなる。
 犯人が自ら証拠を提出してしまうのも「刑事コロンボ」に似ている。
 決して、魔法使いが魔法で証拠を探すなんてことは無い。そこでは魔法はあまり役に立たない。しかし、魔法で容疑者の絞り込みをすることが出来るので、そこまでの地道な捜査が省けるのだ。
 四編の連作中編集。決して魔法使いが完全犯罪をしようなどと考えているわけではない。犯人逮捕の協力をしているのだ。
 東川篤哉が書くとコメディになってしまう。それも楽しめる。

 続きがある。
 魔法使いと刑事たちの夏  2014.7
 縁あって、魔法使いマリィは小山田家の家政婦になる。
 なお、小山田聡介と椿木綾乃警部の怪しい関係が、ちょっと現実離れしている(^_^)。椿木警部は捜査の邪魔ばかりしている。それが、犯人を油断させていることになる。
 特に付け加えることはない。
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2016年08月02日

獣の奏者

獣の奏者(そうじゃ)
上橋菜穂子   講談社

「リョザ神王国」と呼ばれる異世界の地を舞台とするファンタジー。運命に翻弄されるエリンを軸に人と獣の関わりを描く。
闘蛇編・王獣編(2006年)の二巻で一応終わったものの、続編を望む人が多く、探求編・完結編(2009年)が書かれた。さらに「獣の奏者 外伝 刹那」(2010年)が刊行されている。
「決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女」のイメージで書いたという。
 闘蛇(とうだ)という、鰐をイメージするような生物を武器とする大公がいる。この闘蛇の群れがある晩一緒に死んでしまう。エリンの母は獣ノ医術師であったので罪に問われ死罪となる。こどものエリンは母を助けようとして失敗し逃れる。
 エリンは蜂飼いのジョウンに助けられ、野生の王獣と出会い、獣ノ医術師になろうとする。
 王獣は空を飛ぶ獣であり、闘蛇の群れを一瞬で蹴散らすほどの力がある。
 真王の臣は、それまで家畜化した王獣を、恐怖によって支配していたが、エリンは王獣と意思の疎通を試みる。その手段が竪琴であった。簡単な会話が出来るほどになり、独自に王獣を操る術・「操者ノ技」を身につける。

 その間何年もかかるのだが、象徴的なシーンがある。教導師となったエリンは脅迫されて、「操者ノ技」を公開せざるを得なくなるのだが、他の教導師ではうまくいかない。なぜなら、その教導師が過去に恐怖で王獣を支配していたことを王獣が覚えていて、心を開かないからであった。

 政治的な事件や駆け引き、外交や内政の問題が続いて起こり、エリンは常に身の危険にさらされている。
 結局、エリンは過去の言い伝えをすこしづつ破ることになるのだが、言い伝えは重要な意味があり、それを破ることで大きな間違いを犯すことになる。

 こうして人の世は進歩していくのであろう。
 この緊張感あふれる生涯は、現代世界の幸不幸の外にある。物語世界がしっかり出来ていて、そのような世界ならそうなるだろうという共感を持てるからだ。
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2016年07月28日

沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>

沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>
堤 未果   集英社   2015.5
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 先日、紹介した「沈みゆく大国アメリカ」の続編である。
 全体的に著者の感情的な記述が目立ち、それだけ信憑性が薄くなる。特に日本の情報について、わたしでも知っていることが多く、たしかにそこは問題なのだが、もっとプラスマイナス両面から考えて、と思ってしまう。そのため矛盾を感じる箇所もある。
 ここで取り上げたのは、それでも読む価値がありますよ、と言いたいからだ。
 ジャーナリストというのは、正しく問題を提起できれば良い。その解決策は行政の考えることである。もちろん解決策が示せればなお良い。問題提起は出来ていると思う。

「沈みゆく大国アメリカ」でいった、オバマケアの欠陥の再確認的記述が多い。
 読んでいて恐ろしいほどだが、良い部分は全くないのか、疑問に思う。
 オバマケアが成立したのは、アメリカ国民が馬鹿だから(MIT教授)という記述もある。
 採決直前に出された、法案3000ページと関連規制で20000ページ、積み上げると人の背丈を超える書類の山。とても議員が読み切れるものではない。
 それはそうだが、それならなぜ採決を止めなかったのだろう。
 薬価の高騰にねを上げたアメリカ庶民や地方自治体が、同じ薬をカナダから五分の一以下で購入するという話もある。これなど、日本も研究する価値がありそうだ。

 対する日本の医療はどうか。
「国民皆保険」は保険ではない。国家による「社会保障」である。これを民間保険会社にやらせたのがアメリカだ。名前は似てもものが違う。
 国民皆保険についての無知は弱さになる。社会保障を失う基になる。
 政府支出に占める日本の医療費は国際的にみて決して高くないという。
 日本の医師の数は決して多くない。緊急病院の医師数、働く環境を見よ。これはこの本以外でも言われる。
 それから、佐久総合病院や亀田病院など、また足立区の学校給食の成功例をあげている。アメリカでも同じような動きがある。なかなかいい例だが、全国的に展開できるのか、普遍性に疑問がある。この参考例を基に行政は疑問を克服してもらいたい。

 前に、「日本の国民皆保険制度はいろいろな欠点はあるが、なんとか守らなければならないと思う。」と書いたが、つまり日本の制度にもいろいろ問題があり、常にこの改善も行わないと崩壊するだろう。
 キューバは医療の先進国で、経済は低迷していても外交に利用できるほど、というのはおもしろい。
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2016年07月26日

沈みゆく大国アメリカ

沈みゆく大国アメリカ

堤 未果 集英社   2014.11

 ここに書かれた話は本当であろうか。すさまじい医療の崩壊である。同時にマネーゲームの規模も。
 P23からP24に、2014年のアメリカの五大銀行が、四半期で279兆ドル(2京7900兆円)の利益を得る状態になっているという話がある。年間にすれば4倍、約1100兆ドルである。アメリカの総生産でさえ、2014年は17兆ドルだ。日本円の表示もあるので、円の間違いではない。

2015年
アメリカの総生産   18兆ドル
日本の総生産      4兆ドル
世界の総生産合計   73兆ドル
 この中から、1100兆ドルもの利益をどうやって引き出すのだろう。
 (続編で訂正があると思ったが、なかった)

 オバマケアといわれる、医療保険制度ができた。
 国民皆保険なのでいいことのようだが、なんとこの保険は民間の営利団体、つまり保険会社が行う。当然保険会社が儲かるように設定されている。たとえ制度では縛れても、薬価は自由なので、制度の心を無効に出来る。たとえばC型肝炎の新薬1個が10万円で12週840万円、これは保険のきかない薬だ。これは例外では無い。それでは医療費の高騰を避けることは出来ない。
 日本なら自己負担2割とか3割だが、アメリカのある保険は50万円まで免責で、それを越えた分が保険の対象で、となれば、保険の恩恵はまず無いといえよう。
 しかも、医師の66パーセントが割りの悪いオバマケアに参加していない。多くの人が保険料を払っても医療を受けられないということになる。
 それでいながら、医師も出費が多く、結果、低収入で自殺者の割合が多いという。
 労働者の三分の一が時給1000円以下。医療費が支払えず自己破産する人が年間150万人。
 前は軍産複合体と言われていたが、今では医療複合体となっている。
 これがいま、日本を狙っている。
 日本の国民皆保険制度はいろいろな欠点はあるが、なんとか守らなければならないと思う。
 この本の中心はオバマケアの欠点である。復活したウォール街の話題も少し。

続編「沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>」につづく。
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2016年07月21日

老人の壁

老人の壁
養老孟司・南伸坊   毎日新聞社   2016.3

 壁シリーズ(?)の最新版である。老人の持ついろいろな問題を、明るく説明している。
 養老孟司中心の対話で話が進む。漫才と思って読むとよい。
 これらの問題は答えがないことが多く、あっても一つではない。わたしも批判しながら書いているが、つまり、そのまま受け入れず、こんな風に考えながら読め、と言いたいわけだ。
 そもそも著者自身が十分に検討しておらず、思いつきで言っているように見える。
 何不自由ない金持ちの放言なのだが、いいことも言っているわけで、だから解説書というよりも、漫才ないし落語のまくらとして、疑いながら読むべし。頭から信用してあとで困らないように気をつけよう。

 特に気をつけるのは、疑問のあることを一方的に押しつけるあたり。わたしも同じようなことを考えているが、このようにはとても言えない。
 その差は、著者たちは、生活のことに何の心配も要らず、この発言がまた収入になるからだ。
 わたしは本当かどうか確認しないと、とても人には言えない。
 以下の( )内はわたしの感想

一 人はいつから老人か
 他人から老人として見られたときからという。そうなったら意地を張らず引退しなさい。
(数年後にホームレスにならなければの話。著者のように使い切れないほどの財産があるなら、安心して引退しなさい)
 自分で楽しみを見つけて、機嫌良く暮らしなさい。

二 忘却の壁
 健康診断には行かない。行っても行かなくても平均寿命は変わらないと調査結果が出ている。
(そんな統計はどこに? また著者は79歳の今までそれで生きてこられたほどの、健康な体をお持ちだから。苦しんだ経験のある人は、そうはいかない)

三 自然と老人
 清潔過ぎも問題。自然は中立で、自然食品がいいというのは人の勝手な思い込み。
(ごもっともだが、いいと言うのは人の体にとっていいのであって、自然にとっていいのではない。また不潔な環境で生活しなければならない人の苦しみが判るかな。たとえば部屋中がたばこの煙が満ちた仕事場とか。あるいは残留農薬で苦しむとか)

四 長生きだけが人生か
 医者に白衣は必要、安心感を与える儀式のようなもの。
 75歳以上になったら対症療法だけにしよう。苦しみを取り除くだけにする。
(そのようになったことのない人の戯れ言か、実践しているのならよいが)
 一億総活躍、やめたほうがいい。世のため人のためといって無駄に動き回る人がいっぱいいる。誰かが活躍したら誰かが突き飛ばされる。
 何のためにいつまで働くのだ。
(働かないと生きていけない貧しい人もいるし、働くのが生きがいの人がいる。利は少ないといえども、おおくは無駄ではない。逆に家に居場所がないので職場に縛り付けられてる人もいる。)
(世のため人のためといって無駄に動き回る人には迷惑することもあるが、やめてぼけ老人になると、周りがさらに大変な迷惑だ。適当に働いてもらった方がいい)

五 明るい老人
 遺言状など要らない。困ったらケンカして解決しろ。
(それでは残された人が困る、という心配が、実際にはあまりないんだろうな)
 葬式は要らない。墓も要らない。ただ宗教上の葬式はよく出来ていて、残された人を納得させる力がある。
(大賛成、残された人の生き方の問題で、困るようなら適当にやりなさい。わたしは無宗教だから)
(著者の遺族がそれで済ます可能性はないから、安心して言っていられる。本当に思うなら、遺言状に、葬式はするな墓は要らない、と明記せよ。遺言状は要らない、と言っているのに「明記せよ」は矛盾か)
 日本の自殺率は高い。イギリスは低い。なぜなら、イギリスでは自殺の代わりに人を殺すから、殺人率が高い(ほんとかな)。だから「自殺するな」ってうっかり言えない。
(ある統計の殺人率 10万人あたり、
アメリカ 3.82
イギリス 0.95
日本   0.28
イギリスが特に高いということはない)
 薬は飲むな、害があるだけ。抗生物質は特に悪い。自己免疫疾患、若年性の糖尿病、自閉症、肥満症などおこす。アメリカ人の異常な肥満の原因ではないか。
(ご冗談を、益のある薬も多くあります。著者はたまたま飲まずに済んだだけ。対症療法で苦しみを取り除くにも、薬は必要でしょう。また、ご指摘の疾患は抗生物質のない時代にもありました)
(わたしも基本的に薬とは毒を薄めたもの、という認識でいます。だから薬は飲み過ぎれば悪影響。食品でさえ食べ過ぎれば悪影響があります)
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2016年07月17日

糖質制限食

糖質制限食

 7月6日NHKの「ガッテン」で糖質制限食を取り上げていた。

 糖質を半分程度に減らして、タンパク質や脂質を増やしなさい。
 糖質も重要なのでカットしてはいけない。糖質を減らしても、タンパク質や脂質を増やして、糖質の減った一部分を補うのだ。そうして全体で摂取カロリーを減らす。
 糖質を半分程度にとは、日本人の平均の摂取カロリーは2000カロリーで、タンパク質15%、脂質25%、糖質(炭水化物)60%、ということをふまえている。この60%を半分程度にといっているのだ。30% 600カロリーか。
 同時に、過ぎたるは及ばざるが如しで、制限しすぎて体調が悪化した例もいくつか。

 タンパク質や脂質をしっかり食べると、満腹中枢を刺激する物質が分泌さるので、食べ過ぎない。
 糖質は食後に空腹感を刺激する物質が分泌されやすいので、おなかがすきやすい。


 前に糖質制限食について書いた。そのとき5つの疑問を書いた。
     参考 主食をやめると健康になる
1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
 など。

これに対して、
1.肉食は満腹感を得やすいので、摂りすぎない。全体としてカロリーが減る。
 決していくら食べてもよいと言っているのではない。これにはガッテンガッテン。
5.インターネットアンケートだが、1179人中764人がダイエットに成功という。インターネットアンケートなので信憑性は低いが、糖尿病系統の人ばかりでなく、一般の人でも、かなりの確率で成功していることがうかがえる。因果関係も確定したといえるようだ。

 2.3.4.については言及していなかった。推測すると。
 本来の食習慣が異なる人には、同列に扱えない。
 もともと健康状態の人には、糖質制限食は不必要だ。
 制限しすぎ状態の人には、もっと糖質を摂りなさい、ということだろう。

 番組では、ゲストが酒については、蒸留酒は糖質がないが、醸造酒は糖質があるので控えよ。ビールは糖質のない発泡酒があります、と言っていた。醸造酒といえば酒(日本酒)や紹興酒やワインだが、それには言及していなかった。遠慮があったのかな。
 テロップでは「ビールなど…」とゲスト発言対して「など」を追加し、ビール以外にも醸造酒があることを示していた。わたしはこの番組の情報を信用しているので、きちんと言及して欲しかった。
 念のためにいうと、わたしが飲んでいるヱビスビール350ミリでは、糖質3グラムで42kカロリーとある。糖質に関しては、全く問題ないレベルといえるのではないか。
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2016年07月16日

主食をやめると健康になる

2013年9月21日 記
    10月26日 追記

主食をやめると健康になる
      糖質制限食で体質が変わる!
江部康二   ダイヤモンド社   2011.11
 この本は快書か怪書か
 この本を図書館で予約して数ヶ月になる。題名も忘れていた。あるダイエット成功者に紹介された本である。
 副題にもあるように、糖質を制限することがダイエットや糖尿病退治の基本という。カロリー制限では難しい。肉食ならいくら食べても太らないと。ここでいう主食とは、米・小麦・トウモロコシ・蕎麦・芋などのことである。
 ここでいくつかの疑問が浮かぶ。

1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
 などなど。

 内容をざっと言うと、
 糖質食によって血糖値が上がり、それを抑制するインスリンが大量に出る。インスリンは肥満ホルモンであり、故に糖質食によって肥満になる。
 だからダイエットには糖質食を避ければよいと説く。

1.については、「肥満の原因は糖質の摂りすぎ」と繰り返して説明しているが、p59には「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と矛盾する記述がある。p184にはカロリー節約体質の人は、糖質制限に加えてカロリー制限で痩せる人もいる、と。
 p127には、ある焼き肉屋の主が、いろいろ試みて糖質制限にたどりつき「何だ、カロリー制限なんて気にせずに自分の店の焼き肉を食べればいいということか」で、10キロも減量し標準体重になった、という。話は本当であろうが、誰でもこうなるといえるのか。

2.については、貧しい人が糖質食に偏ったという。しかし、前に紹介した、 ルポ貧困大国アメリカ では、むしろ貧しいが故に脂質食が多くなって、肥満児が増えたという。
 どちらの説が正しいか。

 なぜ糖質制限なのかについては、農耕以前は肉食系であったろうという。
 チンパンジー・ゴリラ・オランウータンなど、類人猿が草食系であることを考えると、説得力に乏しいが、人類だけが例外ということもあるし、数百万年のうちに変わったとも考えられる。
 糖質食は農耕が始まってからで、まだ一万年ほど。人類の身体はまだ糖質食に合っていない、というのは説得力があるが、一万年では絶対変わらないともいえない。
 酒については、蒸留酒はよいが、ビールや酒(日本酒)はNG。

3.4.については、糖質が多くNGという。
 単に否定するだけでなく、誤解の原因も説明して欲しい。これでは日本食を食べていて痩せている人の説明がつかない。東南アジアは米食地帯だが、米を食べていて太っていない人は多い。説明がないとわたしなど、
3.4.については、糖質が多いから、糖質食はOK。と結論が逆になってしまう。(大前提、日本食はダイエット食である。小前提、米などは糖質である。結論、糖質食はダイエットによい。)
 わたしは、雲上世界に写真を載せているが、決して太っているわけではない。「こんなに痩せた人がどうして登山を…」と言われるほどだ。基本は糖質食であるのに。
 ざっと比べてみても、肉食系で太っている人の方が日本食で太っている人より多い。それも桁違いに多く感じられる(感じるだけで統計資料は持っていない)。本書の根本の主張に疑問を生じさせる。

5.については、病院の理事長でもあり、多くの実例があるらしい。ただし、本来糖尿病の治療として行ったことなので、ダイエット目的でもできるか、素人のわたしには因果関係がいまひとつ。つまり、糖尿病系の身体不調が直ったので、ダイエットもできたのではないかという疑い。
 この時点で1400以上の例があるらしい。しかし失敗例はどのくらいか。10例か1000例かで評価が変わる。
 とにかく多くの人に効果があったらしいことは判った。

   …………………………

 読み終えて、書いている人の真摯な態度は感じるが、本当だろうかという、疑いが消えない。
 逆に、はじめに「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と明言し、それに矛盾しないように話を展開すれば納得できるのに、p127の例もあるように、あちこちで肉食ではいくら食べても太らないと匂わせている、のが問題なのだ。
 この書き方は、愚にもつかぬ「◯◯健康法」と同じではないか。
 わたしは肉食でも食べ過ぎれば太ると思う。

 初めの印象は、例えば「◯◯定食の飯やパンは食べるな」と言っているのだと思っていた。それならカロリー制限として効果的だ。紹介してくれた人の食事内容を写真で見るとそんな感じだった。
 わたしのまわりの人も、これに似た指導を医師から受けたようだが、ここまで徹底していない。食品のバランスも考えてしまう。だから思うように治らないのか。
 六信四疑くらいの心境である。

 本論から外れるが、
 農耕以前の食べ物が本来の食べ物かどうか。本来の食物ならいいが、そうではないときはストレスを伴う。農耕によってようやく本来の食べ物を取り戻した可能性もあるのだ。
 コメントのリンクが間違っているので、ここに訂正します。
   蘭嶼11 風格ある社会

   …………………………
10月26日 追記  わたしの推測的な結論

 まず類人猿のことを考えて、農耕以前は肉食であったという話は疑ってしまう。
 雑食だったが、基本は草食であったと思える。穀物は少ないので今のように糖質食を飽食することはできなかった。だから身体は少しでも栄養に余裕があれば肥満にまわして、飢餓に備えていた。
 現在は穀物食になって、飢えることなく常に余裕がある。故に太りやすい。普通の人で1日なにも食べずに過ごした人は珍しいだろう。
 ここで穀物食分を肉食に変えるとどうなるか。例えば、御飯200グラム肉50グラム食べていた人が肉250グラムは食べないだろう。
 このことから考えると、無理なくカロリー制限ができる。だからダイエットは成功しやすい。
 そしてこの本は、糖尿病系統の人の健康回復を主眼としている。それには糖質制限は納得できる。健康になればダイエットもしやすい。

 わたしは今後も無理せず糖質を減らすつもりだ。1食は飯を食べないなど。この本を読む前から、これに近い食事をしているので、さほどの努力は要らない。今のところ体型に変化はない。
 ある女性は、テレビでこのダイエットの話を聞いて、本能的に違うなと感じたと言う。

   …………………………
ウィキhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E6%BA%80によれば、(わたしは検証や統計の確認をしていないの意味)

☆肥満は概ね標準体重より20%以上体重が超過した辺りからを肥満と呼ぶ。
☆肥満は生活習慣病をはじめとして、数多くの疾患の危険因子 (risk factor)となる。先進諸国では病気の主要原因が肥満によるものとなっている。
この内容は細かい。

単純性肥満は、エネルギーの摂取過剰や消費不足によってもたらされたものである。いわゆる暴飲暴食等の「食べ過ぎ」や運動不足である。
代謝異常や内分泌疾患の一部でも肥満を来たす。病的な肥満も細かくあげている。

 1961年から2002年まで
☆肥満は社会問題化している。世界的には、男性の24%と女性の27%が肥満である。一般的に、アジア諸国に比べると欧米諸国では肥満の人々の割合が高い。日本では、肥満(BMI30以上)の頻度は3%であるが、アメリカでは、30%以上で、流行病となっており、単純性肥満は肥満の約90%を占める。日本では成人だけではなく小児の肥満も最近増加しており、10−12歳では、男子の10%、女子の8−9%が肥満であり、その9割以上が単純性肥満である。
この他、欧米の肥満状況も詳しい。

驚いたのは中国の状況。
☆ファーストフードが中国に根付くことは、当然食べる側に肥満や生活習慣病のリスクが伴うことになる。
近年では肥満が急増しており、2010年の肥満人口は3億2500万人であったが、2030年には倍増して6億5000万人に達する見通しだという。

 
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2016年07月14日

おしゃべりな訪問者

おしゃべりな訪問者
小松左京   筑摩書房   1975.7
     2016.6.26.jpg
 小説の形を借りた、歴史や思想の解説である。
 古ぼけたタイムマシンに乗り、時間旅行をして、歴史上の人物に架空インタビューをするという趣向。
 アウストラロピテクス属・クレオパトラ・秦の始皇帝・アステカ王モテクソーマ・元寇の高麗将軍金方慶・足利義満・大内義弘・本居宣長。最後に仏の影まで出てくる。
 著者の歴史についての相当な博識ぶりを披露している。また仏教論というか仏教哲学も読むに値する。
 いま読み返してみても、内容は古くないと思う。
 アウストラロピテクスは猿人なので、一方的にしゃべるばかりで相手は態度で示すのみ。意思は通じているらしい。現人類は必要以上に攻撃性を持っているとか。
 クレオパトラには、日本では卑弥呼をはじめ、何人も女帝がたっていると教えるとか。
 クレオパトラの目算違いは、ローマがあまりにも紊乱・野蛮・無秩序であったこと。
 金方慶は、日本の外交政策の無知のため、元によって高麗は壊滅的被害を受けた話。もっとも恨むのは元であるべきで、日本を恨むのは筋違いなのだが。
 足利義満の日本発展の大構想など。
 仏教においては、仏陀の語ったことと、後の仏教のあり方が、あまりにかけ離れている話とか。
 はじめは仏陀の像はなかったとか。地獄極楽はないとか。
 釈迦は答えないとした4つの問い。
 宇宙は永遠か、宇宙は有限か、霊魂と肉体は同一か、解脱したつまり如来は死後存続するか。
 これは考えても生活実践の上に何の関係もない。だから答えない。それにもかかわらず、後に大展開してしまった。

 こんな、著者の博覧強記ぶりを示す一冊。
posted by たくせん(謫仙) at 08:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする