2016年07月28日

沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>

沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>
堤 未果   集英社   2015.5
    2016.7.29.jpg 

 先日、紹介した「沈みゆく大国アメリカ」の続編である。
 全体的に著者の感情的な記述が目立ち、それだけ信憑性が薄くなる。特に日本の情報について、わたしでも知っていることが多く、たしかにそこは問題なのだが、もっとプラスマイナス両面から考えて、と思ってしまう。そのため矛盾を感じる箇所もある。
 ここで取り上げたのは、それでも読む価値がありますよ、と言いたいからだ。
 ジャーナリストというのは、正しく問題を提起できれば良い。その解決策は行政の考えることである。もちろん解決策が示せればなお良い。問題提起は出来ていると思う。

「沈みゆく大国アメリカ」でいった、オバマケアの欠陥の再確認的記述が多い。
 読んでいて恐ろしいほどだが、良い部分は全くないのか、疑問に思う。
 オバマケアが成立したのは、アメリカ国民が馬鹿だから(MIT教授)という記述もある。
 採決直前に出された、法案3000ページと関連規制で20000ページ、積み上げると人の背丈を超える書類の山。とても議員が読み切れるものではない。
 それはそうだが、それならなぜ採決を止めなかったのだろう。
 薬価の高騰にねを上げたアメリカ庶民や地方自治体が、同じ薬をカナダから五分の一以下で購入するという話もある。これなど、日本も研究する価値がありそうだ。

 対する日本の医療はどうか。
「国民皆保険」は保険ではない。国家による「社会保障」である。これを民間保険会社にやらせたのがアメリカだ。名前は似てもものが違う。
 国民皆保険についての無知は弱さになる。社会保障を失う基になる。
 政府支出に占める日本の医療費は国際的にみて決して高くないという。
 日本の医師の数は決して多くない。緊急病院の医師数、働く環境を見よ。これはこの本以外でも言われる。
 それから、佐久総合病院や亀田病院など、また足立区の学校給食の成功例をあげている。アメリカでも同じような動きがある。なかなかいい例だが、全国的に展開できるのか、普遍性に疑問がある。この参考例を基に行政は疑問を克服してもらいたい。

 前に、「日本の国民皆保険制度はいろいろな欠点はあるが、なんとか守らなければならないと思う。」と書いたが、つまり日本の制度にもいろいろ問題があり、常にこの改善も行わないと崩壊するだろう。
 キューバは医療の先進国で、経済は低迷していても外交に利用できるほど、というのはおもしろい。
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2016年07月26日

沈みゆく大国アメリカ

沈みゆく大国アメリカ

堤 未果 集英社   2014.11

 ここに書かれた話は本当であろうか。すさまじい医療の崩壊である。同時にマネーゲームの規模も。
 P23からP24に、2014年のアメリカの五大銀行が、四半期で279兆ドル(2京7900兆円)の利益を得る状態になっているという話がある。年間にすれば4倍、約1100兆ドルである。アメリカの総生産でさえ、2014年は17兆ドルだ。日本円の表示もあるので、円の間違いではない。

2015年
アメリカの総生産   18兆ドル
日本の総生産      4兆ドル
世界の総生産合計   73兆ドル
 この中から、1100兆ドルもの利益をどうやって引き出すのだろう。
 (続編で訂正があると思ったが、なかった)

 オバマケアといわれる、医療保険制度ができた。
 国民皆保険なのでいいことのようだが、なんとこの保険は民間の営利団体、つまり保険会社が行う。当然保険会社が儲かるように設定されている。たとえ制度では縛れても、薬価は自由なので、制度の心を無効に出来る。たとえばC型肝炎の新薬1個が10万円で12週840万円、これは保険のきかない薬だ。これは例外では無い。それでは医療費の高騰を避けることは出来ない。
 日本なら自己負担2割とか3割だが、アメリカのある保険は50万円まで免責で、それを越えた分が保険の対象で、となれば、保険の恩恵はまず無いといえよう。
 しかも、医師の66パーセントが割りの悪いオバマケアに参加していない。多くの人が保険料を払っても医療を受けられないということになる。
 それでいながら、医師も出費が多く、結果、低収入で自殺者の割合が多いという。
 労働者の三分の一が時給1000円以下。医療費が支払えず自己破産する人が年間150万人。
 前は軍産複合体と言われていたが、今では医療複合体となっている。
 これがいま、日本を狙っている。
 日本の国民皆保険制度はいろいろな欠点はあるが、なんとか守らなければならないと思う。
 この本の中心はオバマケアの欠点である。復活したウォール街の話題も少し。

続編「沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ! 日本の医療>」につづく。
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2016年07月21日

老人の壁

老人の壁
養老孟司・南伸坊   毎日新聞社   2016.3

 壁シリーズ(?)の最新版である。老人の持ついろいろな問題を、明るく説明している。
 養老孟司中心の対話で話が進む。漫才と思って読むとよい。
 これらの問題は答えがないことが多く、あっても一つではない。わたしも批判しながら書いているが、つまり、そのまま受け入れず、こんな風に考えながら読め、と言いたいわけだ。
 そもそも著者自身が十分に検討しておらず、思いつきで言っているように見える。
 何不自由ない金持ちの放言なのだが、いいことも言っているわけで、だから解説書というよりも、漫才ないし落語のまくらとして、疑いながら読むべし。頭から信用してあとで困らないように気をつけよう。

 特に気をつけるのは、疑問のあることを一方的に押しつけるあたり。わたしも同じようなことを考えているが、このようにはとても言えない。
 その差は、著者たちは、生活のことに何の心配も要らず、この発言がまた収入になるからだ。
 わたしは本当かどうか確認しないと、とても人には言えない。
 以下の( )内はわたしの感想

一 人はいつから老人か
 他人から老人として見られたときからという。そうなったら意地を張らず引退しなさい。
(数年後にホームレスにならなければの話。著者のように使い切れないほどの財産があるなら、安心して引退しなさい)
 自分で楽しみを見つけて、機嫌良く暮らしなさい。

二 忘却の壁
 健康診断には行かない。行っても行かなくても平均寿命は変わらないと調査結果が出ている。
(そんな統計はどこに? また著者は79歳の今までそれで生きてこられたほどの、健康な体をお持ちだから。苦しんだ経験のある人は、そうはいかない)

三 自然と老人
 清潔過ぎも問題。自然は中立で、自然食品がいいというのは人の勝手な思い込み。
(ごもっともだが、いいと言うのは人の体にとっていいのであって、自然にとっていいのではない。また不潔な環境で生活しなければならない人の苦しみが判るかな。たとえば部屋中がたばこの煙が満ちた仕事場とか。あるいは残留農薬で苦しむとか)

四 長生きだけが人生か
 医者に白衣は必要、安心感を与える儀式のようなもの。
 75歳以上になったら対症療法だけにしよう。苦しみを取り除くだけにする。
(そのようになったことのない人の戯れ言か、実践しているのならよいが)
 一億総活躍、やめたほうがいい。世のため人のためといって無駄に動き回る人がいっぱいいる。誰かが活躍したら誰かが突き飛ばされる。
 何のためにいつまで働くのだ。
(働かないと生きていけない貧しい人もいるし、働くのが生きがいの人がいる。利は少ないといえども、おおくは無駄ではない。逆に家に居場所がないので職場に縛り付けられてる人もいる。)
(世のため人のためといって無駄に動き回る人には迷惑することもあるが、やめてぼけ老人になると、周りがさらに大変な迷惑だ。適当に働いてもらった方がいい)

五 明るい老人
 遺言状など要らない。困ったらケンカして解決しろ。
(それでは残された人が困る、という心配が、実際にはあまりないんだろうな)
 葬式は要らない。墓も要らない。ただ宗教上の葬式はよく出来ていて、残された人を納得させる力がある。
(大賛成、残された人の生き方の問題で、困るようなら適当にやりなさい。わたしは無宗教だから)
(著者の遺族がそれで済ます可能性はないから、安心して言っていられる。本当に思うなら、遺言状に、葬式はするな墓は要らない、と明記せよ。遺言状は要らない、と言っているのに「明記せよ」は矛盾か)
 日本の自殺率は高い。イギリスは低い。なぜなら、イギリスでは自殺の代わりに人を殺すから、殺人率が高い(ほんとかな)。だから「自殺するな」ってうっかり言えない。
(ある統計の殺人率 10万人あたり、
アメリカ 3.82
イギリス 0.95
日本   0.28
イギリスが特に高いということはない)
 薬は飲むな、害があるだけ。抗生物質は特に悪い。自己免疫疾患、若年性の糖尿病、自閉症、肥満症などおこす。アメリカ人の異常な肥満の原因ではないか。
(ご冗談を、益のある薬も多くあります。著者はたまたま飲まずに済んだだけ。対症療法で苦しみを取り除くにも、薬は必要でしょう。また、ご指摘の疾患は抗生物質のない時代にもありました)
(わたしも基本的に薬とは毒を薄めたもの、という認識でいます。だから薬は飲み過ぎれば悪影響。食品でさえ食べ過ぎれば悪影響があります)
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2016年07月17日

糖質制限食

糖質制限食

 7月6日NHKの「ガッテン」で糖質制限食を取り上げていた。

 糖質を半分程度に減らして、タンパク質や脂質を増やしなさい。
 糖質も重要なのでカットしてはいけない。糖質を減らしても、タンパク質や脂質を増やして、糖質の減った一部分を補うのだ。そうして全体で摂取カロリーを減らす。
 糖質を半分程度にとは、日本人の平均の摂取カロリーは2000カロリーで、タンパク質15%、脂質25%、糖質(炭水化物)60%、ということをふまえている。この60%を半分程度にといっているのだ。30% 600カロリーか。
 同時に、過ぎたるは及ばざるが如しで、制限しすぎて体調が悪化した例もいくつか。

 タンパク質や脂質をしっかり食べると、満腹中枢を刺激する物質が分泌さるので、食べ過ぎない。
 糖質は食後に空腹感を刺激する物質が分泌されやすいので、おなかがすきやすい。


 前に糖質制限食について書いた。そのとき5つの疑問を書いた。
     参考 主食をやめると健康になる
1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
 など。

これに対して、
1.肉食は満腹感を得やすいので、摂りすぎない。全体としてカロリーが減る。
 決していくら食べてもよいと言っているのではない。これにはガッテンガッテン。
5.インターネットアンケートだが、1179人中764人がダイエットに成功という。インターネットアンケートなので信憑性は低いが、糖尿病系統の人ばかりでなく、一般の人でも、かなりの確率で成功していることがうかがえる。因果関係も確定したといえるようだ。

 2.3.4.については言及していなかった。推測すると。
 本来の食習慣が異なる人には、同列に扱えない。
 もともと健康状態の人には、糖質制限食は不必要だ。
 制限しすぎ状態の人には、もっと糖質を摂りなさい、ということだろう。

 番組では、ゲストが酒については、蒸留酒は糖質がないが、醸造酒は糖質があるので控えよ。ビールは糖質のない発泡酒があります、と言っていた。醸造酒といえば酒(日本酒)や紹興酒やワインだが、それには言及していなかった。遠慮があったのかな。
 テロップでは「ビールなど…」とゲスト発言対して「など」を追加し、ビール以外にも醸造酒があることを示していた。わたしはこの番組の情報を信用しているので、きちんと言及して欲しかった。
 念のためにいうと、わたしが飲んでいるヱビスビール350ミリでは、糖質3グラムで42kカロリーとある。糖質に関しては、全く問題ないレベルといえるのではないか。
posted by たくせん(謫仙) at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月16日

主食をやめると健康になる

2013年9月21日 記
    10月26日 追記
2016年10月15日 追記
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2016年10月15日 追記 を先にします。
2016年10月15日 追記
 10月8日にNHKで、血糖値スパイクという問題を取り上げていた。糖質食を摂ると、その後一時的に血糖値が上がる。
 人によっては上がりかたが高すぎる。これを血糖値スパイクという。様々な病の原因になる。その可能性のある人は日本で1400万人ともいう。
主食をやめると健康になる可能性のある人は1400万人。
わたしが疑問に思った対象は、1億人以上。この人はこの本の対象ではない。
 これがわたしの結論になります。
詳しくは、血糖値スパイク http://takusen2.seesaa.net/article/442815806.html で。
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2013年9月21日 記
主食をやめると健康になる   糖質制限食で体質が変わる!
江部康二   ダイヤモンド社   2011.11
 この本は快書か怪書か
 この本を図書館で予約して数ヶ月になる。題名も忘れていた。あるダイエット成功者に紹介された本である。
 副題にもあるように、糖質を制限することがダイエットや糖尿病退治の基本という。カロリー制限では難しい。肉食ならいくら食べても太らないと。ここでいう主食とは、米・小麦・トウモロコシ・蕎麦・芋などのことである。
 ここでいくつかの疑問が浮かぶ。

1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
 などなど。

 内容をざっと言うと、
 糖質食によって血糖値が上がり、それを抑制するインスリンが大量に出る。インスリンは肥満ホルモンであり、故に糖質食によって肥満になる。
 だからダイエットには糖質食を避ければよいと説く。

1.については、「肥満の原因は糖質の摂りすぎ」と繰り返して説明しているが、p59には「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と矛盾する記述がある。p184にはカロリー節約体質の人は、糖質制限に加えてカロリー制限で痩せる人もいる、と。
 p127には、ある焼き肉屋の主が、いろいろ試みて糖質制限にたどりつき「何だ、カロリー制限なんて気にせずに自分の店の焼き肉を食べればいいということか」で、10キロも減量し標準体重になった、という。話は本当であろうが、誰でもこうなるといえるのか。

2.については、貧しい人が糖質食に偏ったという。しかし、前に紹介した、 ルポ貧困大国アメリカ では、むしろ貧しいが故に脂質食が多くなって、肥満児が増えたという。
 どちらの説が正しいか。

 なぜ糖質制限なのかについては、農耕以前は肉食系であったろうという。
 チンパンジー・ゴリラ・オランウータンなど、類人猿が草食系であることを考えると、説得力に乏しいが、人類だけが例外ということもあるし、数百万年のうちに変わったとも考えられる。
 糖質食は農耕が始まってからで、まだ一万年ほど。人類の身体はまだ糖質食に合っていない、というのは説得力があるが、一万年では絶対変わらないともいえない。
 酒については、蒸留酒はよいが、ビールや酒(日本酒)はNG。

3.4.については、糖質が多くNGという。
 単に否定するだけでなく、誤解の原因も説明して欲しい。これでは日本食を食べていて痩せている人の説明がつかない。東南アジアは米食地帯だが、米を食べていて太っていない人は多い。説明がないとわたしなど、
3.4.については、糖質が多いから、糖質食はOK。と結論が逆になってしまう。(大前提、日本食はダイエット食である。小前提、米などは糖質である。結論、糖質食はダイエットによい。)
 わたしは、雲上世界に写真を載せているが、決して太っているわけではない。「こんなに痩せた人がどうして登山を…」と言われるほどだ。基本は糖質食であるのに。
 ざっと比べてみても、肉食系で太っている人の方が日本食で太っている人より多い。それも桁違いに多く感じられる(感じるだけで統計資料は持っていない)。本書の根本の主張に疑問を生じさせる。

5.については、病院の理事長でもあり、多くの実例があるらしい。ただし、本来糖尿病の治療として行ったことなので、ダイエット目的でもできるか、素人のわたしには因果関係がいまひとつ。つまり、糖尿病系の身体不調が直ったので、ダイエットもできたのではないかという疑い。
 この時点で1400以上の例があるらしい。しかし失敗例はどのくらいか。10例か1000例かで評価が変わる。
 とにかく多くの人に効果があったらしいことは判った。

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 読み終えて、書いている人の真摯な態度は感じるが、本当だろうかという、疑いが消えない。
 逆に、はじめに「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と明言し、それに矛盾しないように話を展開すれば納得できるのに、p127の例もあるように、あちこちで肉食ではいくら食べても太らないと匂わせている、のが問題なのだ。
 この書き方は、愚にもつかぬ「◯◯健康法」と同じではないか。
 わたしは肉食でも食べ過ぎれば太ると思う。

 初めの印象は、例えば「◯◯定食の飯やパンは食べるな」と言っているのだと思っていた。それならカロリー制限として効果的だ。紹介してくれた人の食事内容を写真で見るとそんな感じだった。
 わたしのまわりの人も、これに似た指導を医師から受けたようだが、ここまで徹底していない。食品のバランスも考えてしまう。だから思うように治らないのか。
 六信四疑くらいの心境である。

 本論から外れるが、
 農耕以前の食べ物が本来の食べ物かどうか。本来の食物ならいいが、そうではないときはストレスを伴う。農耕によってようやく本来の食べ物を取り戻した可能性もあるのだ。
 コメントのリンクが間違っているので、ここに訂正します。
   蘭嶼11 風格ある社会

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10月26日 追記  わたしの推測的な結論

 まず類人猿のことを考えて、農耕以前は肉食であったという話は疑ってしまう。
 雑食だったが、基本は草食であったと思える。穀物は少ないので今のように糖質食を飽食することはできなかった。だから身体は少しでも栄養に余裕があれば肥満にまわして、飢餓に備えていた。
 現在は穀物食になって、飢えることなく常に余裕がある。故に太りやすい。普通の人で1日なにも食べずに過ごした人は珍しいだろう。
 ここで穀物食分を肉食に変えるとどうなるか。例えば、御飯200グラム肉50グラム食べていた人が肉250グラムは食べないだろう。
 このことから考えると、無理なくカロリー制限ができる。だからダイエットは成功しやすい。
 そしてこの本は、糖尿病系統の人の健康回復を主眼としている。それには糖質制限は納得できる。健康になればダイエットもしやすい。
 ある女性は、テレビでこのダイエットの話を聞いて、本能的に違うなと感じたと言う。
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2016年07月14日

おしゃべりな訪問者

おしゃべりな訪問者
小松左京   筑摩書房   1975.7
     2016.6.26.jpg
 小説の形を借りた、歴史や思想の解説である。
 古ぼけたタイムマシンに乗り、時間旅行をして、歴史上の人物に架空インタビューをするという趣向。
 アウストラロピテクス属・クレオパトラ・秦の始皇帝・アステカ王モテクソーマ・元寇の高麗将軍金方慶・足利義満・大内義弘・本居宣長。最後に仏の影まで出てくる。
 著者の歴史についての相当な博識ぶりを披露している。また仏教論というか仏教哲学も読むに値する。
 いま読み返してみても、内容は古くないと思う。
 アウストラロピテクスは猿人なので、一方的にしゃべるばかりで相手は態度で示すのみ。意思は通じているらしい。現人類は必要以上に攻撃性を持っているとか。
 クレオパトラには、日本では卑弥呼をはじめ、何人も女帝がたっていると教えるとか。
 クレオパトラの目算違いは、ローマがあまりにも紊乱・野蛮・無秩序であったこと。
 金方慶は、日本の外交政策の無知のため、元によって高麗は壊滅的被害を受けた話。もっとも恨むのは元であるべきで、日本を恨むのは筋違いなのだが。
 足利義満の日本発展の大構想など。
 仏教においては、仏陀の語ったことと、後の仏教のあり方が、あまりにかけ離れている話とか。
 はじめは仏陀の像はなかったとか。地獄極楽はないとか。
 釈迦は答えないとした4つの問い。
 宇宙は永遠か、宇宙は有限か、霊魂と肉体は同一か、解脱したつまり如来は死後存続するか。
 これは考えても生活実践の上に何の関係もない。だから答えない。それにもかかわらず、後に大展開してしまった。

 こんな、著者の博覧強記ぶりを示す一冊。
posted by たくせん(謫仙) at 08:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月09日

虚無回廊

虚無回廊
小松左京   徳間書店   1987(2011.11)
     20160705-1.jpg
 小松左京の最後の作品であるが未完である。本来三冊であったが一冊に合本した(2011)。
 第一巻と第二巻が1987年、第三巻が2000年、以後続きは出ていない。

 地球から5.8光年の距離に突如出現した、長さ2光年、直径1.2光年という驚異的スケールの円筒形の物体「SS」。
 透けていて、その向こうにある星が見える。そして時々消えてしまい、角度などを変えて再現する。その距離を移動するには光速以上の早さが必要。
 探査に直接人間が赴くには距離的時間的に困難であるため、人工知性体をその宇宙域に送ることになる。
 選ばれたのは、若き天才人工知能開発者・遠藤秀夫がAIを越える物として開発していた「人工実存(AE)」HEUだった。遠藤秀夫の分身である。
 今話題のディープラーニングによるAIでは無理なのだ。与えられた任務だけではなく、向こうに行ってから、自分で目的や行動を考えなければならないからだ。
 しかし、出発して49年後、連絡をとる地球の遠藤秀夫が亡くなった情報が入り、HEUは連絡を止め、独自の行動をとりはじめる。なにしろ、いま情報を送っても、地球に届くのは5年9ヶ月かかる。返事が届いたとして11年半後。果たして今の星域にいるかどうか。
こうして物語は始まっていく。
 HEUは人型の分身を作るが、長い間、特定の仕事をさせているうちに個性を持つようになる。結局6人の仮装人格が得意な仕事を分担することになる。
 SSでは様々な知性体と遭遇する。対立する異星知性体もいる。あちこちの知性体がSSを調べようと、送り込んだのだった。
 安易な手法は使わない。ワープで一瞬に飛ぶとか、異なった星域の宇宙生命体がいきなり英語で会話するなんてことはない。
 言葉はディープラーニングのようにして、元素の並び方を調べて、その並び方の特徴で意味を推測し、単語の一語一語を時間をかけて探し当てていく。
 そして他星域の生命体と情報を交換して、どう調査するか話し合いがあって、さあこれからSSと接触を試みようとするところで、著者が亡くなった。
 宇宙や生命や知性あるいは愛なども説いているが、たとえば新しい宇宙論とか、量子力学の話など、あまりにも難しく、わたしには読んでいて理解することが出来ない。いつもなら易しく説明するところ。それを省略しても先を書き進めたかったと思われる。

 まず最初の疑問。仮にSSが光速なみの早さで動くとすれば、あるいは一瞬で動くとすればSSの直径が1.2光年なら、消えるときも一瞬ではなく、月が欠けていくように1.2年以上かかって、ゆっくりと欠けていくはず。出現も同じく。
円筒のあちこちまでの距離が違うからである。そして光速以上の早さで動くように思われる理由。この二つの疑問の答えは同じと思われる。
 さらに、おそらく100億年以上前に現れたと思われ、まるで宇宙の誘蛾灯のように存在し、見た生命体を集める不思議な物体SS。SSは自然物か工作物か、知能はあるか。など、解明されておらず未完である。
posted by たくせん(謫仙) at 08:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月06日

Igo Classic

6月3日に Igo Classic 囲碁×音楽の輪舞曲 を聞きに行ってきた。
企画した村田真生さんは碁友。千寿会会員である。
この会はユーチューブでも放送され数万人が見ていたという。
7月3日には、NHKの囲碁フォーカスでも取り上げられた。
Igo Classic で動画あり。 http://www.goandmusic.com/
キーボードが村田さん。碁は中学生の時、3年間で6段(アマ)になったという。
その後演劇や音楽の道を進み、いまは作曲編曲家として、活躍中である。
わたしは音楽の道は暗いので、そのレベルは判らないが、碁のレベルなら判る。わたしには手も足も出ない(^_^)。
こう書くと年配のようだが、まだ25歳の青年である。
posted by たくせん(謫仙) at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする