2016年08月24日

桜小町

ひやめし冬馬四季綴 桜小町
米村圭伍   徳間書店   2010.2

 遠江国海棠藩の下士の「冷や飯食い」一色冬馬22歳の婚活騒動。
 一色家は先代は中士であった。訳あって下士に落とされる。
 当主の弟つまり冷や飯食いでは一生まともに暮らせない。うまく他の家に婿入りできればよいが、下士の冷や飯食いではそれも難しい。
 そんな冬馬が、二番家老の娘に恋をした。美しい高嶺の花で、もし恋が実れば、家老になれるかも、というのだが、話が進むうちに、父の降格にまつわる過去の事件も絡み、大事件になっていく。
 二番家老の二番目の娘が、美しくはないが聡明で、冬馬をリードする場面もある。意外な展開が多く、楽しめた。
 米村圭伍の作品は、いつも貧しい武家の生活ぶりが詳しい。今回の一色家は百俵取りで三代5人が暮らす生活。

「ふくら雀」という続きがある。前半はだらだらして、途中で投げ出してしまった。間を置いて、あらためて後半を読むと、少し山がある。読み終えたが人に勧めるほどではない。
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2016年08月15日

トリックアート美術館

トリックアート美術館

 8月11日、山の日である。
 高尾山のビアーガーデンに行くことになった。4時に京王線高尾山口に集合予定である。
 はじめ、山に登りビアーガーデン前で待つ予定でいたが、時もときなので、満員の可能性もある。そのときは場所の変更も考えられるので、駅前に集合することにした。
 地図を見ていたら「トリックアート美術館」がある。2時過ぎに高尾山口に到着し、美術館に入ることにした。

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 氷川神社の鳥居の向こうに美術館が見えた。背中の方には駅があり、駅の向こうに氷川神社がある。

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 入り口は上の写真の中央近く、像の下あたり。右の方の二階はオープンカフェテラス。
 左の方へまわったため、シャッターもしまっており、休業中かと思わせる。

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 右の方へ行くと、最初のトリックアート。今ではどこまで本物だったか、覚えていない。この日は曇り空だったことを覚えている。この少し右に入り口がある。そこから階段を上がる。
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 階段を上がると、正面に絵を描いている人…、

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 入り口に到着、両脇の照明には影がない。右は自動販売機。テラスの方になる。
 以下、説明は省きます。どこが本物でどこがトリックか、あなたの眼力をためしてください(^_^)。 (わたし自身が判らなくなっている)

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 最後にテラスで、熱いコーヒーを飲んで集合場所に向かった。
 正味一時間。時間があればもう一回りしたかった。
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2016年08月12日

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?
東川篤哉   文藝春秋   2012.9
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 あえて言えば題名に偽りあり。
 八王子署の若手刑事小山田聡介は、上司の椿木綾乃警部とともに、殺人事件の捜査に当たる。
 犯人は…、読者は判っている。倒叙推理形式だから。犯人と小山田聡介の知能ゲームとなるのだが、小山田聡介は見かけは冴えなくて、犯人に名前も覚えてもらえないほど。実は鋭いところもあるのだ。
 捜査の難しさは犯人を絞り込むまでで、本来は相当の苦労をするはず。
 ところが、殺人現場にはいつも美少女家政婦マリィが現れる。これが魔法使い。魔法使いが魔法で犯人を教えてくれるのだが、そのままでは逮捕できない。裁判官を納得させる証拠がないからだ。
 そこから犯人と小山田聡介の「刑事コロンボ」を思い出す知能ゲームとなる。
 犯人が自ら証拠を提出してしまうのも「刑事コロンボ」に似ている。
 決して、魔法使いが魔法で証拠を探すなんてことは無い。そこでは魔法はあまり役に立たない。しかし、魔法で容疑者の絞り込みをすることが出来るので、そこまでの地道な捜査が省けるのだ。
 四編の連作中編集。決して魔法使いが完全犯罪をしようなどと考えているわけではない。犯人逮捕の協力をしているのだ。
 東川篤哉が書くとコメディになってしまう。それも楽しめる。

 続きがある。
 魔法使いと刑事たちの夏  2014.7
 縁あって、魔法使いマリィは小山田家の家政婦になる。
 なお、小山田聡介と椿木綾乃警部の怪しい関係が、ちょっと現実離れしている(^_^)。椿木警部は捜査の邪魔ばかりしている。それが、犯人を油断させていることになる。
 特に付け加えることはない。
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2016年08月02日

獣の奏者

獣の奏者(そうじゃ)
上橋菜穂子   講談社

「リョザ神王国」と呼ばれる異世界の地を舞台とするファンタジー。運命に翻弄されるエリンを軸に人と獣の関わりを描く。
闘蛇編・王獣編(2006年)の二巻で一応終わったものの、続編を望む人が多く、探求編・完結編(2009年)が書かれた。さらに「獣の奏者 外伝 刹那」(2010年)が刊行されている。
「決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女」のイメージで書いたという。
 闘蛇(とうだ)という、鰐をイメージするような生物を武器とする大公がいる。この闘蛇の群れがある晩一緒に死んでしまう。エリンの母は獣ノ医術師であったので罪に問われ死罪となる。こどものエリンは母を助けようとして失敗し逃れる。
 エリンは蜂飼いのジョウンに助けられ、野生の王獣と出会い、獣ノ医術師になろうとする。
 王獣は空を飛ぶ獣であり、闘蛇の群れを一瞬で蹴散らすほどの力がある。
 真王の臣は、それまで家畜化した王獣を、恐怖によって支配していたが、エリンは王獣と意思の疎通を試みる。その手段が竪琴であった。簡単な会話が出来るほどになり、独自に王獣を操る術・「操者ノ技」を身につける。

 その間何年もかかるのだが、象徴的なシーンがある。教導師となったエリンは脅迫されて、「操者ノ技」を公開せざるを得なくなるのだが、他の教導師ではうまくいかない。なぜなら、その教導師が過去に恐怖で王獣を支配していたことを王獣が覚えていて、心を開かないからであった。

 政治的な事件や駆け引き、外交や内政の問題が続いて起こり、エリンは常に身の危険にさらされている。
 結局、エリンは過去の言い伝えをすこしづつ破ることになるのだが、言い伝えは重要な意味があり、それを破ることで大きな間違いを犯すことになる。

 こうして人の世は進歩していくのであろう。
 この緊張感あふれる生涯は、現代世界の幸不幸の外にある。物語世界がしっかり出来ていて、そのような世界ならそうなるだろうという共感を持てるからだ。
posted by たくせん(謫仙) at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする