2020年02月26日

ジャンボ大会-ある終局の問題

 ある終局の問題、わたしの感覚が古かった。

 2月23日に日本棋院で、ジャンボ大会という碁会があった。15人一組で34組4回戦制である。
 そこでちょっとしたトラブルがあった。原因はわたしにある。
 終局を宣言し、相手も同意した。そして数えるためにいくつかのダメを詰めて、最後のダメを相手が打った。1−1だ。終局に同意していたため、考えず1−3に継いでしまったが、わたしの地中に手段が生じたのである。一目で判る1−4だ。

   2020.2.25.jpg
 このあと、手段があれば、「手入れをしてください」となって手入れをして終わる。いつもそう打っていた。もちろん終局に同意したときのみだ。
 ここでも冷静に3目を助け2目を捨てればよかったが、3目を捨て2目を助けたので半目の負けになった。

 さて、問題は、手段が生じたとき、相手が打ったことである。
 わたしは審判員を呼び、「終局同意後にこうなったが、どう判断するか」と訊いたのである。審判員は「その後も打っているので試合は復活している」と判断した。
 わたしはここで投了したが、相手は納得出来ないようなので、「試しに数えてみましょう」となり、半目負けあるいは中押し負け、が確定したのである。
 復活したのはどこからであろうか。復活したのなら、“復活を要求した人の相手の手番”で始まるはず。この考え方が、「手入れをしてください」につながるのだが、今では非常識になってしまった。
 2002年のあの事件を思い出す。終局に同意したかどうかでもめた棋聖戦第五局である。
 その後、 終局に同意を求めるのはアジが悪い となって、日本棋院では、ダメ詰めなど最後まで打って終局とする、と試合規定が変えられたらしい。
わたしの頭には、
対局の停止→ 死活の確認→ その結果の処理をして終局。という手続きがあった。

第九条−1(終局)
一方が着手を放棄し、次いで相手方も放棄した時点で、「対局の停止」となる。

今回は終局の同意がこれに相当する。

第九条−2
対局の停止後、双方が石の死活及び地を確認し、合意することにより対局は終了する。これを「終局」という。

第九条−3
対局の停止後、一方が対局の再開を要請した場合は、相手方は先着する権利を有し、これに応じなければならない。


「終局の同意は対局の停止とは認められない」あるいは
「その後も打っているので継続している。復活ではない」
という判定が欲しかったンですね。それなら納得だ。
posted by たくせん(謫仙) at 08:49| Comment(8) | 囲碁雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月16日

義之大者

 週刊「碁」には棋士の、「私の修業時代」という連載がある。(記・内藤由起子)
 先日(1月27日発行)はアンティ・トルマネン初段の番外編で、アンティ・トルマネン初段が母校(フィンランド)に贈った言葉が紹介されていた。

    義之大者 莫大於利人 利人莫大於教

 なんと読むのだろう。意味は何だろう。調べたところ、読み下し文だと、

 義の大なるは、人を利するより大なるはなし。人を利するに教うるより大なるはなし。

 であり、出典は呂氏春秋と判った。わたしは読んだことがない。脱帽してしまう。
 日本で、読んだことのある人はどのくらいいるだろうか。
 こういうときの言葉を、呂氏春秋から選ぶ感覚がすごい。

 昨日の千寿会の講師は、アンティ・トルマネン初段であった。このとき、この言葉について訊いたところ、「英語の本に有った言葉で、原典を調べたら、中国語であった。良い言葉だと思い、母校に贈った」という。
 奥様は、4月から国文学の助教授になる人で、奥様の助言かと思ったが外れた。

 さて、呂氏春秋だが、中国の戦国時代末期、秦の始皇8年(紀元前239年)、秦の呂不韋が食客を集めて共同編纂させた書物で、百科事典のような内容であるという。
 このとき、一般に公開して、一字でも添削ができれば千金を与えると公言した、という古事で有名である。
 呂不韋については、劇画などで、若い人の方がよく知っているかもしれない。

 もうひとり、QRコードの開発者がゲストとして、来場した。「デンソーウェーブ」の原昌宏さんである。
 おはBiz NHKニュース おはよう日本 https://www.nhk.or.jp/ohayou/biz/20190522/index.html で紹介された方である。
 アメリカでは今でもバーコードが多く使われているが、誤読が多く、アメリカ以外はQRコードを使うことが多くなった。バーコードより遙かに使いやすい。カメラの解像度が高くなったので、さらに高密度のQRコードができると言う。
 この技術を無料で公開したことが素晴らしい。この方も「義之大者」であろう。
posted by たくせん(謫仙) at 09:04| Comment(0) | 千寿会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする