2023.3.19 一部独立
梶谷 懐, 高口 康太 NHK出版 2019.8
この本はコロナ・ウイルス騒ぎ以前に書かれた。それ故に現在ではかなり様子が変わったと思われる。故に細かいことは書かない。
わたしが読みながら感じたことである。だからいつもの本の紹介とは違う。
幸福論ではない。ここでいう監視国家は、「1984年」とは少し異なる。
たとえば暴力が支配する地域があったとしよう。その地域の至るところに監視カメラが備えられれば、そこに住む人々は幸福感を味わえる。そんな意味合いだ。
中国では法整備が追いつかず、民間(?)でダイナミックに事業を展開してしまう。中国の急成長はそれに由来するところが大きい。時の権力者の資金源になるため、違法でも保護される。そして、国際社会でもルールを無視して勝手に展開する。
それがここに来て、停滞してきた。国内では共産党内の派閥争いで、旧権力者の保護による有力企業が打撃を受けている。習近平は国の経済より、権力争いを優先して、他派閥資金源の世界的企業に圧迫を加えている。
国際社会ではルールを守らず退場を余儀なくされている場合もある(アメリカの株式市場など)。コロナウイルス問題もあり、見通しは明るくない。
この本が書かれた当時はイケイケの中国経済だったが、現在は暗雲が垂れ込めている。こんなわけで、内容は興味深いが、全てを信用できるわけではない。
この本ではかなり誤意見が見受けられる。特に大企業を民間企業とするあたりだ。ほとんどは半国策の会社であろう。その時代の有力政治家の派閥資金源になっている。
自由意見を言えるだけの環境にいない人に世論調査をしても、ほとんど無意味だ。逆に自由意見を言えないことが垣間見える。
そんなわけで、監視社会が中国で受け入れられた社会土壌など、参考になる。
将来に対する展望は希望があるのだが、それもコロナ・ウイルス騒ぎや、国策企業への圧迫などで、かなり狂ったのではないか。習近平派閥の資金源企業がすぐに育つかどうか。
民主の国とは に続く。