2008年07月05日

岬美由紀

   松岡圭祐  小学館  02.7
 メフィストの逆襲の続き
 北朝鮮に拉致されていたと考えられた少女が、歯科医に監禁されていた。それを見つけて助け出したのはなんと北朝鮮の工作員李秀卿。
 その後、岬美由紀は李秀卿を追って、ニューヨークに飛ぶ。そして世界貿易センタービルに潜む李秀卿たちを見つける。李秀卿たちの目標はアラブゲリラの監視。
        misakimiyuki.jpg
 世界中からの援助でようやく国家が運営されている北朝鮮にとって、アメリカでトラブルが発生し、援助が止まってしまうと、国家存亡の危機だ。
 しかし、爆破テロ事件が起こってしまった。岬美由紀と李秀卿は協力して、エレベーターに閉じこめられた人を助け脱出する。そこで二人の間に友情が芽生える。李秀卿はアフガンに飛び、ゲリラ組織に捕まり、美由紀は李秀卿を助けに行く。
 そして日本帰ってきて、二人で、ディズニーランドに遊ぶ。こうしていつしか李秀卿にも、現実に理解が及ぶようになるが、あらためて祖国のために働くことを決意し、美由紀に別れを告げる。

 新潟の少女は記憶を失っていた。それを嵯峨敏也が助ける。
 岬美由紀と二つのマインドコントロール組織の対決。
 北朝鮮人民思想省の李秀卿の成長物語。
 この三つがメインテーマではないか。

 せっかく矛盾点解決のため、いろいろ加筆訂正したが、更に重要な問題がある。北朝鮮の人民思想省つまり、国民をマインドコントロールして、反乱を起こさせないようにするための組織が、外国のトラブル防止に力を注ぐとは、どうしても考えられない。
 それが有効としても、それなら政府に直接働きかければ済むことである。外国からの援助を得るためスパイ組織が外国を援助するとは、ましてあの国であり得ぬ。それだけの援助が欲しいなら、組織で誘拐などしなければ済む。そこに根本的な矛盾を感じる。
 世界でただ一つ残っていると思える天皇制(王制)の国では、天皇制がなくなってしまった日本(天皇という名前は残っているが)の民では考えられないことがあると思っていいのか。それとも前編で書いたマジックオタクの話のような、著者の無知から生じた話と笑って終わりにすべきか。
 全体的には、本の発行日と似た事件が起こった日と比べると、驚嘆することになろう。この本は実際の事件を基に書かれているが、本のほうが先の話が多くある。だから夢中になって読んでしまう。
posted by たくせん(謫仙) at 06:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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