2008年07月13日

七人の魔道師 (グインサーガ外伝1)

    栗本薫  早川書房   1981.2
 古い本だが、読み直した。
 この外伝の設定と、現在進行中の本伝の設定との間にはかなりの齟齬か生じている。それがどうなるかで、ファンの間で、論争が楽しまれている。
 今回の再読で、わたしもいくつか気がついた。

 日本のヒロイックファンタシィは、この本によって始まったと言っても過言ではない。
 いろいろな意味で、記念碑的な物語である。

 ケイロニアの首都サイロンに起こる怪事の数々。
 これには、600年に一度の星々の会があり、そのエネルギーを利用しようとする魔物たちの暗躍があった。
 そのエネルギーを利用するにはケイロニア王グインが必要であった。グインはその信管であったのだ。
            
   --------------------------------------------

 著者は本伝で「南無三」という言葉を使ったことがある。
 読者から、これは仏教用語で、ここで使うのはおかしいという話があった。
 これに対し、この場面ではこの言葉がふさわしいと、説明していた。

 これはどうか。
 本書「七人の魔道師」は、600年に一度の星々の会があり、グインはそのエネルギーの信管であることが物語の根元である。しかし本編では、この時代に火器は存在しない。

 火器のない時代に「信管」で意味が通じるだろうか。
 「引き金」ならば、日本語に翻訳した(?)とき、一番ふさわしい表現だったと、することかできる。(「南無三」のように)
 だが「信管」という漢語を使った以上、火器がなくてはならない。

外伝は この世界はメートル法の世界であった。 
本伝は メートル法ではない。

外伝 ケイロニアの皇女(グインの妻)は、グインを拒み続ける。
本編 つねに側でかまってもらいたがる。

等々、齟齬とその解決策を楽しめる物語である。
posted by たくせん(謫仙) at 07:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうなんですよ。
 当時と設定が微妙に違って来ているし、、齟齬が出て来ています。当時は第二世代なんて構想の外だったんだろうし、、、ねぇ。8月刊行のグインの最新刊ではこのあたり、時代的にも近づいてきたし、あれこれ調整しているんでしょうかねぇ。
Posted by 樽井 at 2008年07月13日 23:48
多少は調整しても、基本的には整合しなくても仕方ないと思っているような気がしますね。三十年も前の構想ですから読者つまりわたしも仕方ないと思います。
8月に新刊が出ますか。入院中に書いたものかな。それにしてもこの多作、驚きます。
Posted by 謫仙 at 2008年07月14日 14:46
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/102763732
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック