2008年11月23日

レッドクリフ

 レッドクリフ パート1を見てきた。なかなかにできはよかったと思う。
 この映画の前評判は悪かった。まず題名からして問題だ。三国志ファンには見せたくなくて「赤壁」を「レッドクリフ」にしたのかとか、公式なあおり文句で見る気をなくしたとか、赤壁が出てこないらしいとか。宣伝担当者が三国志を知らないのではないかという、穿った説もある。
 わたし自身は前宣伝のあおり文句を読んでいないので、それに影響されずに済んだ。

 まず赤壁の戦いはまだだが、赤壁は出てきた。出てきたどころではない。すべては赤壁を中心に動いている。
 三国志の赤壁の戦いだけをクローズアップした映画だ。かなり長いがそれでも前半だ。前後併せて五時間を超える予定。長すぎるという人もいるようだが、わたしはこれくらい説明してくれないと意味が判らないので、長いのは仕方ないと思う。「三国志」や「三国志演義」とは設定を変えたところは特に説明してくれないと、矛盾が生じてしまうし、お客が知っていることを基にして説明を省くのは困る。作者によって設定は違うのだから。

 このスケールの大きさ。それだけでも見る価値がある。長江を埋め尽くす軍船。膨大な数のエキストラ。いまの日本では作れない映画だ。
 諸葛亮と周瑜の協力ぶりもいい。八十万の大軍に三万で立ち向かう呉軍の苦悩ぶりもよい。
 翻訳はどうなんだろう。わたしは中国語音声・日本語字幕で見たのだが、ときどき中国語が聞こえることがある。諸葛亮といっているのに、字幕は「孔明」だったり、我と言っているのに字幕は「妹」だったり。意味は間違っていないが、イメージが違うと思う。
 曹操と劉備がかなり老けているなあと思った。六十歳くらいに見える。実際は曹操は五十三歳くらい、劉備は四十七歳くらいだが、昔は老けるのが早かったので、ちょうどよいのかな。
 念のため
 曹操155−220年
 劉備161−223年
赤壁の戦い 208年

 全体は三国志演義にそって作られている。曹操が悪役、劉備が善玉で、諸葛孔明が大活躍する。
 八卦陣が組まれて、戦いに有効だった。孔明が「古い陣」と言っているところを見ると、当時でも古かったのか。
 張飛がイメージ通りで笑ってしまった。
 趙雲役は胡軍(フー・ジュン)。天龍八部の簫峯役でわたしも知っている俳優だ。その活躍ぶりも見もの。体格は必ずしも大きいとはいえないのだが迫力がある。劉備の子を抱いて、敵中を突破するシーンは迫力満点。
 周瑜と小喬とのラブシーンは不要。ないほうがいい。

 世に諸葛孔明名軍師説があるが、それは三国志演義によるもの。実際は孔明は軍事には無知。内政を充実し、将軍たちを後ろから援護した名丞相だった。私財を積まなかったのが特筆される。

監督
  呉宇森(ジョン・ウー)
出演者
  梁朝偉(トニー・レオン) 周瑜
  金城武          諸葛亮
  胡軍(フー・ジュン) 趙雲
  中村獅童         呉の将軍役
posted by たくせん(謫仙) at 10:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
桃花島は八卦陣に桃の木が植えられていて、個人では難攻不落だが、あれは東邪が考えたのか。桃の木が動いて(ウップ)、孔明の八卦陣に似ているなあ。
もちろん実際の桃花島は、八卦陣の桃の木なんてありませんよ(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2008年11月23日 10:29
>八卦陣
あれが”古かった”と言われると、中国の兵法って凄いなぁ〜と感心しますね。
>張飛がイメージ通りで笑ってしまった。
最近、「秘本三国志」を読んでいます。劉備なんかは演義のイメージと全然違うのですが、張飛だけは、どこの本やドラマや映画を見ても、ほぼ、イメージが一貫しているという事に嬉しくなってしまいます。
>趙雲役は胡軍(フー・ジュン)。
パート1は彼の活躍なしには語れませんね!
>周瑜と小喬とのラブシーンは不要。
同感です。歴史モノで肌見せシーンがあると、何故か違和感を覚えます(^^;
Posted by 阿吉 at 2008年11月23日 21:37
阿吉さん。
秘本三国志は穿った本ですね。八百長五丈原。あの本を読んで書いた文。

漢朝では建国の功臣はことごとく抹殺された。例外は建国と同時に朝廷を辞した張良であった。今ここで孔明が死して蜀が滅ぶことになれば、もはや魏に敵はいない。そこで問題になるのが建国の功臣たち、特に仲達である。
司馬一族はすでに政治を押さえており、実力的には魏朝曹氏と臣司馬氏とは立場が逆転していた。しかも仲達は、ライバルの張郃を、訝るのを無理やり突撃させて、蜀軍に殺させてしまっていたため、有力なライバルさえいなかった。ならば曹氏は全力を挙げて仲達の命をねらうことになろう。
 そのために勝てないふりをするという話。

中国の兵法は太公望の兵法といわれるものも伝わり、春秋戦国をえて、膨大な量になったことでしょう。
兵器の進歩、国の巨大化、人数の増加によってかわり、それらを把握して、それに自分の工夫を加えられる人。これが軍師なんでしょうね。

そうそう、サッカーシーンがありましたね(^_^)。当時も球技はあったかも知れませんが、サッカーがあったとは知らなんだ(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2008年11月24日 08:53
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