2009年02月01日

囲碁の文化誌

   水口藤雄   日本棋院   2001
 今から見ると少し古い本かもしれないが、囲碁の文化歴史についての恰好の入門書だ。
 起源伝説からヒカルの碁まで、碁に関して、広く浅く、判りやすく解説している。
        igonobunkashi.jpg

 碁の起源は中国であろうといわれているが、確定しているわけではない。
 伝説によれば、堯帝が息子に教えたというが、文字のない時代で記録も物証もない。考古的にはなんとか殷代まで遡れる。しかし、それが今のような碁かどうか。十七路説が強く、占い説もある。
 古代インド起源説も有力。ただ記録がないため、決定できない。
 わたし(謫仙)は前に笑傲江湖の碁で忘憂清楽集の話を書いたが、これは北宋の徽宗の時代に書かれたもので、もちろん棋譜は創作。
 敦煌で碁経が見つかったが、六世紀のもので、一応これが最古の棋書といえそう。棋譜は伝わっていない。それから8年、現在ではどうだろうか。
 日本のことでは、
 源氏物語の碁の話。
 織田信長が碁を打った記録はなく、本能寺で碁会を開いてはいない。
 名人碁所の成り立ち。
など。通説とはかなり違う。
 そんな話がいろいろとある。著者は六十冊ほどの参考文献を載せている。それどころか、著者を知っている人の話では、山のような資料が眠っていて、このままでは四散しそうという。
 四百年にもわたって日本で育ち磨き抜かれた碁が、わずか二十年で韓国に抜かれてしまった。なんとか伝統と文化を維持して欲しいという。著者の願いだ。
 著者は爛柯堂棋話などの有名な文献も鵜呑みにせず、原典に当たり、当否の判断を下し、判らないものは判らないと書いていることに好感を持てる。

 わたしは著者の、 神髄は調和にあり −呉清源 碁の宇宙− で呉清源の「莫愁」の引用の間違いを指摘したことがある。これだけ調べて書く人に、なぜあのような間違いがあったのか不思議だ。弘法も筆の誤りか。
posted by たくせん(謫仙) at 07:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
囲碁は、もう少し先になったらやってみよう。
 もう少し時間ができたら勉強してみよう。
 と、ずっと思いながらなかなか進めていないですね〜。なんとなく年がいったときには将棋(これはできる)、麻雀(これもできる)と並んで、人とコミュニケーションをとって遊ぶのにちょうどいいものだし頭も使って楽しめそうだなぁと思うのですが、なかなか手をつけられていません。
 囲碁はなにか読むより誰か知っている人に暇なときに教えてもらいながらやるのがいいのかな。
Posted by 樽井 at 2009年02月03日 23:14
>囲碁は、もう少し先になったらやってみよう。
 もう少し時間ができたら勉強してみよう。

こう思っている人が多いンですね。ところがそうなったときは、なかなか覚えられない。
せめて、25級までは、若いときになっていて欲しい。そうなると時間ができたとき、楽しみながら学ぶことができます。
最初の一分間で、四つ目取りが判ると30級。それから10局体験すれば25級。別な言い方では、終局が理解できれば25級。
ところが高齢になると、そこまで理解するのが難しい。

わたしは18歳の時、本で覚えました。先年、ある週刊誌にわたしの碁が載ったとき、その記事を書いた観戦記者は、本で覚えたことにびっくりしていました。本で覚えようとすると、ほとんどの人は途中で挫折すると。
大阪なら関西棋院か日本棋院関西総本部の初心者コースで習うのが一番なんでしょうね。
新井素子さんも、日本棋院の初心者コースで碁を打つようになったんですよ。
Posted by 謫仙 at 2009年02月04日 07:26
詳しい情報ありがとうございます。
 関西棋院さんのサイトにさっそくいってみました。まったくルールを知らないので、とりあえず入門編のところでルールから読んでいこうと思います。
Posted by 樽井 at 2009年02月05日 08:13
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