2009年02月13日

謫仙楼対局 形だけでは

黒 靖
白 謫仙 6目半コミだし

     go09-1-1.jpg

 黒が三三にツケ、白▲に打ったところ。
 今までは、自動的にAに打っていた。あるとき健二先生が、考えずに形だけでAに行くわたしを見て、「こんな手もあるンですよ」と教えてくれたのが白▲だった。
 それ以来この形になると、白▲を打って試している。すでに九局も打った。今回が十局目。

     go09-1-2.jpg
黒の失敗図であろう
 不思議なことに九局の内の七局はこのようになった。ただし、黒9は別なところに打つ人が多い。シチョウで取れているので、この黒9は手がダブっていないか。
 白8までの形は、どう見ても白がいい。
 健二先生に教わったときも、わたしが黒1と打つと、「それは良くないですよ」と白2を打ち、この形を示してくれた。
「白▲で、あとの打ち方に困ったらまた相談しましょう」ということになっている。
 結果だが、今までのこうなった七局は全て負けた。相手が黒1を別なところに打ち、こうならなかった二局は勝っている。

 靖さんには初めての形だったらしい。すこし進むと、次の図になって黒1と打つ。
     go09-1-3-2.jpg

 黒1ですでに八目の黒は死んでいる。黒1のあと白2を黒5のところに打てば、すでにコミの負担は消えていた。
 だが、どう打っても勝っていると思いこみ、白2・黒3・白4となったとき、手を抜かれて、黒5を打たれてしまった。打たれてみると黒5は先手であり、逆に白が死んでしまった。実はこの時点でも、取られているとは思ってもいなくて、このあと数手打って、ようやく手数が足りないことに気づいたのだ。一度どう打っても勝てると思いこんでしまうと、白5を打ちそこねる。
 オワだ。どうもこの「黒の失敗図」の形は勝てない。白は悪いはずはないんだが。
 隣で打っていた聖姑は「どんなにいい形でも、あとが正しく打てなければ…、形だけ良くても碁は勝てませんよ。途中で何度も右辺の白が(黒1の一路上に)飛び出す機会はあったでしょう。そうなったら、そのままで中の黒に手はない。楽勝のケースなのに」
 これでは健二先生に相談することもできない。

   …………………………
「靖さんのところは売り上げはどうです」
突然の不況で、蔵元はどうなってるかと思っていた。
靖 「変わりませんよ。もっと入れてくれと言われて断っていたのが、少なくなったくらいかな」
聖姑「靖さんは、もともと冷蔵庫の設備のないところは断っていたくらいだからね。わたしも謫仙さんから謫仙酒を貰って、父に飲ませて、ようやく冷蔵庫を買わせたんだから。客層の関係か、いい酒は変わりなく売れていますよ」
謫仙「それでいつも、わたしのところから謫仙酒をもっていったのか」
聖姑「人聞きの悪い。ちゃんと勝負に勝って貰ったんですからね。日本酒は不味いと言って洋酒しか飲まない父を説得するには、とにかく本物の日本酒を飲ませないといけない。そう思っていたところ、謫仙酒の話を聞いたので」
謫仙「そうだろうな、オレも合成酒は不味くて飲めなかったし」
靖 「アル添酒(アルコール添加酒)は、うまい酒もありますけど、形だけ酒で実は…というのもありますから」
謫仙「飲み方では形もなっていないということがあるなあ。居酒屋で飲むでしょ。小さいグラスにいっぱいに入れ、こぼして受け皿までいっぱいにする。コップを持つと雫がぼたぼた。みっともない。もっと大きなグラスに入れれば済むこと。たとえばコーヒー、受け皿にまでコーヒーを入れる喫茶店はないでしょ。ワインにしてもカクテルにしても受け皿なし。料亭でもそんな出し方はしなかった。酒はその国の文化なんだから。形だけでも品良くして欲しい」
靖 「受け皿は万一こぼれたとき、まわりを汚さないため。それでは逆効果ですね。それが嫌で、ますます日本酒離れ。何かの誤解から始まったのかな」
聖姑「日本酒は色が付いていないので、テーブルや服を汚しても、気が付きにくいことも原因でしょうか。着物を着ていたらもう手が出ませんね」
謫仙「日本酒の伝統なんて言う人がいるがそれはない。最近は片口を使う店が出て来ました。それなら伝統と言えますね。あれは雫がぼたぼた落ちなくていい。落語でも江戸庶民は片口が普通でしょ。燗ならちろり」
posted by たくせん(謫仙) at 08:12| Comment(6) | TrackBack(0) | 謫仙楼対局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
 囲碁のホームページを見て、ルールの一部は覚えきりました。
 が、形がいいとか、全体像を見て打つなんてことはまだまだ遥かに遠い世界のお話です。なかなかにというか当たり前にというか奥がもの凄く深いですねぇ。
Posted by 樽井 at 2009年02月13日 22:23
樽井さん
今はルールを覚えやすくなりました。関西棋院のホームページでは、初心者のためのルール解説をしていましたね。
あれだけではゲームになりませんが、実はルールはあれだけなんです。
あまりにも簡単であっけない(^。^))。
奥が深いのですが、それぞれのレベルで楽しめるので、あとは実戦でルールの意味を体験してください。
小林千寿先生は、現代の忙しい時代に人と人が顔を合わせて、楽しむのは最高の贅沢ではないでしょうか、と言っていました。
わたし自身、気持ちが豊かになります。懐は貧しくても(^_^)。
最近インターネットで碁を打つため、読書量が減っています。
Posted by 謫仙 at 2009年02月14日 09:01
こんばんは。
碁ではなくお酒の話ですが、謫仙さんのこだわりが良く出ている話だと思いました。
別に贅沢をしようというのではなくて、貧しくても品のある生活をしたいという、気持ちが表れていると思います。
私も同じような経験をしたことがあります。
ティッシュベーパーを出して、コップの尻を拭きながら飲みました。江戸っ子から見ると、粋ではないと思います。私は江戸っ子ではありませんが、共感します。
なんかさもしい感じがします。そんな恥ずかしい思いまでして日本酒を飲みたいとは考えません。
生意気なことを言ってしまいました。本当は飲んでいます。(笑)
Posted by mino at 2009年02月15日 20:41
こんばんは。
 碁のルールは、あれで全てですか?
まぁ、考えてみれば将棋も基本の駒の動かし方と、王を先に取ったほうが勝ちとか、あとは成り以外にはルールがないですもんね。やっていくうちに徐々に大局や先が見えるようになるのですね。ありがとうございます。ちょっとまた勉強してみます。
 話かわって、日本酒のお話。
 僕は昔日本酒が大嫌いでした。その飲む時の升の作法が嫌だったのと、甘ったるい感じや、酔っぱらった感じのいかにもな匂いが嫌でした。でも、最近ちょっとした手ほどきなども受けて、美味しい日本酒は美味しいんだなぁというのがわかったし、器や入れ物、温度次第での美味しさの変化などもわかってくるようになりました。だからよけいに謫仙さんやminoさんと同じで、ああいう形以外で綺麗で美味しい飲み方がしたいです。
 碁のことといい、お酒のことといい、年とともに違う感じ方や面白いものを発見するこのごろです。
Posted by 樽井 at 2009年02月15日 21:27
minoさん。
わたしもそう出されたら、飲まないわけではありませんが、コップの尻を拭くのは一度だけで、あとは別なところにおきます。なんのために受け皿があるのか。
宮廷の晩餐会で、そんな風に出したら……、あり得ないなあ。
とにかく、粋じゃありませんね。わたしは高坏が一番ではないかと思っています。
Posted by 謫仙 at 2009年02月16日 08:43
樽井さん。
碁のルールは簡単で10分もあれば理解できます。でもそれを組み合わせて実戦で使うのが難しい。その感覚を若いうちに身につけたいンですね。
そして、「ここはこうなる、だからこの手はいけない」と引き算していって、残った手を打つというようなところが多くなります。
碁は悪い手を打たないようにするゲームです。
実は、強くなると高度なルールがありますが、それだけの力がないと理解できないし、理解できないと盤上に表れることはありません。万一のときは、その時のそこで一番強い人とか、主催者に判定して貰うことになります。わたしはまだ一度も体験したことがありませんが、プロが立会人を呼んで決着を付けて貰った、というニュースは聞いたことがあります。
Posted by 謫仙 at 2009年02月16日 08:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/114151556
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック