2009年02月23日

長安牡丹花異聞

   森福 都   文芸春秋   1997.3
 妖美と機知に満ちた中国奇想小説集。
 智慧のある若い娘が主要な役を務めます。だから読んでいて楽しくなります。
 これを読んでいて思ったのですが、連作でない中編集は困ることがあります。その世界に浸って、その若い美人に感情移入して応援をしようとすると、その話が終わってしまいます。そのため次の女へ情を移さねばなりません。わたしのような堅い男に浮気を勧める、困った小説です。
 これが短篇集ですと、プロットのおもしろさが中心となりますので、それほど感情移入せずに終わってしまうのですが。

 長安牡丹花異聞
 苦心を重ねて、夜光牡丹をつくるアイデアがおもしろい。
 苦心の作品を盗まれてしまうのだが、それを見つけ、高値で売り払う。その夜雨が降り、夜光は流れてしまう。

 累卵
 累卵の如き危うさ、という言葉がある。卵を重ねる訳だが、ここでは累卵の芸でお祭りをする。
 それは刑事コロンボばりに仕組まれた祭りで、犯人も出品してボロを出す。

 梨花雪
 遠い異国に嫁いだ武帝の娘をめぐる話。最後の落ちの意味が判らす読み直して確認した。

他三編
posted by たくせん(謫仙) at 07:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>夜光牡丹をつくるアイデアがおもしろい。
本当に、あの通りの手順を踏めば、
出来そうな気がするくらい、詳細に描かれてましたね。
この作品は面白かったです!

Posted by 阿吉 at 2009年02月23日 21:18
阿吉さん。
わたしは作者がどのような方なのか全く知らないンですが、はじめて読んだのに、完成された小説なので、びっくりしました。かなりの力量のある作家と思えます。
このあと「紅豚」も読みました。紹介はしませんでしたが、面白かったンです。
こうして、まだまだ知らない傑作が、あちこちにあるんでしょうねえ。
Posted by 謫仙 at 2009年02月25日 09:35
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