2009年03月14日

一日江戸人

   杉浦日向子  小学館文庫   99.4.1
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 「遊びと仕事は夫婦みてぇなもん」と言い切る江戸人 (江戸時代の人々)……カラッとしてて楽天的で、日々を楽しむことに情熱を傾けて生きる彼らこそ、遊び友達に最適!
 いかした相棒・江戸人と、春画や相撲を観戦して、食事してお酒飲んで、たまには異性をひやかしたりしながら、本書のなかで江戸時代を散歩してみては?
 庶民から大道芸人、はたまた奇人変人など、江戸の街のキャストをおもしろおかしく紹介した「入門編」。
 長屋の生活や夏をのりきるための知恵など、江戸人の生活風景に着目した「初級編」。
 銀ブラならぬ江戸ブラ……江戸の屋台や相撲観戦など、よりデイープに江戸人をとりまく風景に迫った。


 という話です。
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  杉浦日向子(すぎうらひなこ)
 一九五八年、東京都生まれ。漫画家として華麗にデビューしたのち江戸時代の研究に情熱を傾ける。江戸時代の歴史的背景のほか、食、ファッション、恋愛など生活に密着した風俗にも詳しい。
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 わたしは、杉浦さんの名を「お江戸でござる」の名解説で知った。
 漫画家の時代をわたしは知らないので、どんな漫画を書いていたのか判らず説明できない。たいへんな売れっ子だったらしく、そこで大金を得て、それで江戸研究の資料を集めたと読んだことがある。

 さて。
第一章 入門編
 大道芸人から変人奇人、はたまた将軍まで…江戸の顔が勢揃い。

 江戸はまじめに働く気があればなんとか食えたらしい。いやまじめに働く気がなくてもなんとか(^_^)。
 「江戸っ子は宵越しの銭は持たねえ」というが、実情は「持てねえ」らしい。それから派生する奇妙なアルバイター生活の数々。
 閻魔のなりをしたり、カッパのなりをしたり、仙人になったり。
 口上の楽しさや、そのなりのばかばかしさにも、江戸っ子は素通りせず、銭を置いていった。それでなんとか食いつなげるのだ。
 マッチ売りの少女の悲劇は、
 江戸ではあんな悲劇になりゃしません。
たぶん「てれつくてんてんつけ木(マッチ)だよぉ、……」とか踊って、めでたく完売させたことでしょう。

 義賊や変人の話もおもしろい。
 ナンパの話では、お坊チャマの場合。
@ ひと目合ったそのときに和歌などをそっとたもとに入れる。
A 歌舞伎のサジキをリザーブして、女のコを誘う。
B それでもダメなら寝込む。
  あとは番頭が何とかしてくれる。
(爆)

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 これではまるで落語「崇徳院」。
 面白いのは寝ている布団。四角い布団ではないんですね。このことには一言も解説していませんが。
 ついでに崇徳院の舞台となった、上野観音堂の舞台を。
    edo2.jpg

 長くなるので以下は略すが、今でもわたしには下町の観光案内に役立ちます。

第二章 初級編
 江戸人の紹介が済んだところで、その生活をのぞいちゃおう。

第三章 中級編
 屋台、相撲…軟派に硬派に江戸を散策すれば、あなたも江戸人?

第四章 上級編
 いよいよ大詰め…旅と春画を楽しんだ後は江戸っ子度をチェック。

posted by たくせん(謫仙) at 08:28| Comment(8) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
画像の布団は「かい巻き」ですね。
江戸時代の庶民の布団はほぼかい巻きです。一枚で掛け布団+敷布団なので、袖が掛け布団側しかないものが多かったと思います。袖に手を通すときには半身になって寝ます。

杉浦さんは私と同じ蕎麦好きだったので、蕎麦関係の本もよく読んだのですが江戸の風情を普段から感じさせる方でした。
漫画家を引退したころから難病を患っていたようですが、あまりにも早い死が残念でなりません。
Posted by 八雲慶次郎 at 2009年03月14日 19:39
わたしはかい巻きをこの絵で初めて見ました。
落語家が布団をまくるシーンは、四角い布団をまくっているようで、四角い布団が一般的かと思っていましたが、かい巻きが主流ですか。

そういえばお江戸でござるでもよく「そば切り」の説明をしていましたね。着物姿がなつかしい。
>漫画家を引退したころから難病
そうだったんですか。どこかか弱い雰囲気を漂わせていましたね。あの解説を聞くためにお江戸でござるを見ていた用の名者でした。
体調が悪くなり、石川英輔さんが代理で出るようになって、難病を抱えていることを知りました。
Posted by 謫仙 at 2009年03月15日 07:30
「かい巻き」、実は愛用中です。いや、正確には、我が家では「たんぜん」と呼んでいて、布団のように中に綿が入っているんじゃなくて、毛布素材ですが。
子供のころからずっと家族みんな使っていて、今のも何代目かになります。冬場は肩口が冷えなくて良いです!
たしか、平安時代も、布団はこういった感じで袖が付いていて、着たり掛けて寝たり、という事だったと思います。
Posted by 阿吉 at 2009年03月15日 21:11
「たんぜん」は和風旅館でおなじみですが、それに近いものに「綿入れ」といわれたものがありました。スソが短く寝るのは無理。かい巻きはたんぜんの古い形でしょうか。
言われてみると、平安時代の寝具はそれでしたね。すきま風の多い日本家屋に向いていたのか。明治時代まで普通に使われていたところを見ると、使いやすかったのかな。
いまネットで検索してみたら、新しいデザインでかなり売り出されていますね。知りませんでした。
Posted by 謫仙 at 2009年03月16日 07:33
わたしは、杉浦さんが漫画家だったことを知りませんでした。
ここで初めてしりました。
ずっと江戸民俗の研究家だと思っていました。
「お江戸でござる」の間違い探しの解説は楽しかったですね。
そして、私たちの常識と違った江戸を教えてくれました。
なくなってだいぶたちますね。
あの笑顔がすてきでした。
懐かしく思い返しました。
Posted by オコジョ at 2009年03月16日 16:23
オコジョさんもあの解説で杉浦さんを知ったんですね。
常識とは違った江戸の町。
江戸の繁栄の源は地方の生産力。そのからくりを知った上での解説でした。それゆえ江戸は豊かなようで、基本は貧しい。それで豪華にはできないが「粋」に生きていこうとする姿が、見ていて楽しくなる番組でした。
着物姿が日常の人が、まだいることもうれしかったですね。
Posted by 謫仙 at 2009年03月17日 06:48
お久しぶりです。
私も「たんぜん」持ってます。
杉浦さんは、多分漫画家という肩書きの方が有名かもしれませんが、もともと時代考証家になりたかったそうで、お師匠に「時代考証家になるには10年は掛かる」と言われて、その間研究のかたわら漫画を描いていたと聞いたことがあります。
そしてその漫画がこれまたすばらしい作品で、私も大好きです。たくせんさんもぜひお手にとってみてください。
才能豊かな杉浦さんの早過ぎる死は本当に残念です。
Posted by タラ at 2009年03月17日 10:58
タラさん。
「たんぜん」が現役ですか。丹前姿が彷彿します(^_^)。

杉浦さんの漫画どんなものがあるのでしょうか。
いま図書館で検索したら84件。ダブっているものもあり、案内書もありですが、かなりの量です。
ただ、どれが漫画なのか判りません。漫画・案内書に関係なく読みたくなる題名の本がズラリ。こんなに多くの著作があったのかと驚きました。
これだけで当分の間、読む本が切れることはなさそうです。
Posted by 謫仙 at 2009年03月18日 08:55
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