2009年03月18日

退屈姫君これでおしまい

   米村圭伍   新潮社   09.1.1
 めだか姫シリーズの完結編、のはず。

 めだかは江戸で評判の変わり菊競べを見たくてたまらない。いい口実ができて見に行ったのだが、そこで、田沼意次(おきつぐ)の息子意知(おきとも)の乱暴狼藉を見てしまい、いつもの正義感で大騒動を起こす。
        taikutu-3.jpg

 変わり菊や変わり朝顔に夢中になった江戸庶民の様子を見ると、つくづく江戸時代は平和だなあと思う。
 徳川家康は、諸事に天才的だが、ただ一つ経済を知らなかった。そのため、この狭い江戸の世に、三種の貨幣を通用させてしまった。銅貨・銀・金である。この相場は常に変動する。それが原因で、財政困難の度に問題が起こる。田沼意次は財政改革に成功した希有の政治家だが、後世の評判は芳しくない。あとを次いだ政治家が、些細な問題を大げさに取りあげて貶めたためだが、それはともかく、このシリーズは田沼意次を悪役に仕立てている。
 めだかは将軍徳川家治まで利用する。家治も内心めだかの活躍を期待しているのだ。
 この過程で暗号を解くシーンがある。読んでいるときは、すこし無理気味の設定に思ったが、読み終わってみるとなんとか収まっている。
 笑っているうちに、大名家の女性の問題も頭に入ってしまう。

 前にも書いたが、この小説は「ですます調」の文体である。それでありながら「である調」の文のように引き締まった文だ。
posted by たくせん(謫仙) at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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