2009年04月08日

絵画を読む

絵画を読む イコノロジー入門
若桑みどり   日本放送協会   1993.8

 絵に詳しい人には常識かも知れないが、わたしには「ヘエー」という情報が満載。
 昔の西洋画には全てに意味がある。口絵に12枚のカラー絵画を載せ、その他の絵もそえて絵の意味を説明しているのだ。
 たとえば静物画「果物籠」。果物は甘美だが束の間の快楽の寓意だとか。林檎に虫の食った穴があれば、それは廃退の始まりを意味するとか。
 別なある絵では裸の女は真実を表し、それが仮面を付けているので、偽りが真実の仮面を付けている意味だとか。
 あるいは、「愛のアレゴリー」では、右手か左手か逆になるようなトリックをしているのは欺瞞を表する。足元の男女の仮面は…、子供の持っている薔薇の花は…、老人が持っている砂時計は…。
 こうして絵画は目で読む聖書の役割を果たしているという。

 さて、一つひとつに丁寧な解説を付けているのだが、残念なことに、読んだ後の印象は薄い。著者は外国語も堪能なようだが、日本語がプロではない。
 たとえば文が長すぎる。その象徴が、一頁に1回か2回しかない行替え。内容はあっちに飛んだりこっちに飛んだしてまとまりにくい。
   自殺した◯◯の弟の□□は、…
 この文は自殺したのは◯◯か□□か。絵画に詳しい人なら迷うことはないだろうが、わたしには判らない。また「これ」「あれ」「それ」が多くそれが何を指しているのか判りにくい。そのため言葉が流れているだけで意味がわからないまま、判らないことに気が付かず、先を読んでしまう。

 わたしが理解したとはいい難いが、紹介するだけの価値があると思う。
posted by たくせん(謫仙) at 08:38| Comment(2) | TrackBack(2) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゴッホの糸杉は墓場のイメージ・・・
死神の大鎌・・・
寝ている手が下がっていると死のイメージ・・・

私も良くよく知りませんが、色々ありますね。

絵と文学の違いはありますが、俳句の季語も、象徴的ですね。
春「山笑う」 夏「山滴る」 秋「山装う」 冬「山眠る」・・・
単純なもので証言しようとするとこうなるのでしょうか。

トンボとり 今日はどこまで行ったやら

この句は、死んだ子供の追想ですか・・・
説明を受けなくては分かりません。

そうした説明がなくても、いいなと思う、
絵や俳句がいいです。
Posted by オコジョ at 2009年04月11日 18:57
オコジョさん。
西洋画は、字の読めない人に聖書を教えるという目的もあったようです。日中の仏教画もそうですよね。そのため全てに意味を持たせる。
現代では、その束縛から解放されて自由に書いているようです。
しかし、宗教から自由になった、といっても経済的な側面から束縛があるようです。「廬思の中国気ままにおしゃべり」で廬思さんがそのことを言っていました。日本に来て日本画を学んでいるのですが、中国の画家と日本の画家の違いなどを言っているのですが、国に所属する画家は政治的な圧力が強いとか。

もっとも、そのような説明がなくとも、単純に絵の良さを楽しめばいい、という意見も多く寄せられたと書いています。わたしなどは説明は判らなくても感動を受ければよい、と思いますね。さらに深く知るために、この本のような説明を知るわけですが、それは興味があったら。
Posted by 謫仙 at 2009年04月12日 07:35
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