2009年04月15日

李商隠

   李商隠 (812〜858)   
高橋和巳   河出書房新社   1996.8(初版1958.8)        lishouyin.jpg 
 
 李商隠は晩唐の詩人である。当然ながら、専門職ではなくて、役人としての仕事をしながら、詩作するわけだ。
 時代を反映してか、難解な詩が多い。
 わたしには全ての詩が、解説なしには意味が通じない。
 盛唐の詩人、杜甫や李白などは、読み下し文があれば、ある程度内容を感じ取ることができるが、李商隠はそれができない。一言一言に説明がないと理解できないのだ。
 目次を見ても「無題」という詩の多いこと。
 著者は、その難解な詩を細かく説明している。ただし丁寧とはすこし違うので、小説を読むようなわけにはいかない。辞書で調べ物をするような感じであろうか。
 吉川幸次郎の「新唐詩選」はかなり丁寧に説明しているが、それに比べて固い。
 わたしの知っているのは、たった一首「夜雨寄北」のみ。最も判りやすい詩であろう。

    yaukitaniyousu.jpg

 この短い詩の中に「巴山夜雨」という言葉を二度も使っている。
 付け加えると
北……日本でも言うが、妻のこと。
寄……手紙を送る。現在でも、手紙の封筒の差出人は「謫仙寄」と書く。
巴山…四川省通江県にある山、長大な山脈らしい。わたしは巴の山と思っていたが、固有名詞のようだ。
夜雨…四川盆地はほとんど曇っていて、太陽が見えることが珍しいと言われている(蜀犬、日に吠ゆ)。また、巴山では夜になると決まったように雨が降るという。それを巴山夜雨という。
何……いつか
卻……さて 却と同じ字、話題を変えるときの「さて」

 と、ここまで付け加えて、ようやく全体像が見えてくる。
 わたしがこの本を知ったのは、俵万智さんの書評による。
 俵万智さんが高校教師のとき、漢詩の授業で、詩を解説してから中国語で読み上げた。眠そうにしていた学生たちも一生懸命聞いてくれた、と楽しそうに書いている。
posted by たくせん(謫仙) at 07:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ティェンタオの自由訳漢詩」ー「漢詩を楽しもう」というブログで、李商隠の伝記を連載しています。よければご覧頂いて、ご意見をお寄せください。
Posted by tiandao at 2012年01月19日 11:39
tiandaoさん
せっかく紹介してくれたのですから、リンクも入れてくれれば良かったのに(^_^)。
いま探してみました。膨大な量の詩を紹介していますね。
今のわたしの能力では批評は荷が重すぎます。
李商隠はあまり知られていないとはいえ、けっこう細かいことまで判っているンですねえ。
目次のようなものを作り、一覧にできたらと思います。
リンクしておきますので、今後ともよろしく。
Posted by たくせん(謫仙) at 2012年01月19日 16:14
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