2009年04月19日

僕僕先生

仁木英之   新潮社   06.11

        bokuboku.jpg
 神仙ものである。唐の玄宗皇帝の時代、僕僕と称する仙人が現れた。
 主人公のぐうだら青年王弁は父の使いで僕僕のところに行き、それがきっかけで、僕僕に弟子入りとなった。僕僕はいろいろと変身するが、本体は美少女のよう。「のよう」とは、実体は数千年だか数万年だかも生きているからで、少女といえるかどうか。
 一緒に旅をするうちにいつしか恋心が芽生える。僕僕にしても、決して嫌いではない。だから弟子扱いにした。
 旅は仙人らしい旅となったが、恋愛感情が王弁を目覚めさせる。

 なかなかに面白い話だった。楽しい物語であった。
 美少女の仙人、いても不思議ではないが、今まで仙人といえば白髪白髯の姿が思い浮かび、少女は考えたことはなかった。まあ「仙人部落」や「封神演義」などで、必ずしも白髪白髯とは限らないという知識はあったにしても。
 この僕僕仙人はかなり魅力的。主人公より感情移入してしまう。仙人といえば、世俗を超越した老人を思う。僕僕はそんな仙人の演技をしたりするが、けっこう少女の本音が出てくる。
 しかも日本語、いやその、近年の日本の諺なども言う。唐にそんな諺があったかしらと思わず笑みが浮かぶ。神仙思想はかなり深いながら、軽い文体で説明も過不足なく、楽しく読んでしまう。
posted by たくせん(謫仙) at 06:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。
 さらりと流していく文体で、気持ちよく読ませていただいた一冊でした。なにより春の長閑な一日のような(冒険もあるけれど)とろとろと気持ちいい暖かさのある本で、自分も好きです。続編の文庫落ちが楽しみです。
Posted by 樽井 at 2009年04月19日 08:40
樽井さん。
軽い文体、著者の力量にもよるのでしょうか。
主人公はぐうだらですが、悪さをするわけでなく、無駄遣いをするわけでもないので、悪感情は持てませんねえ。
図書館で検索したら、続きが二冊ありました。近いうちに借りるつもりでいます。
Posted by 謫仙 at 2009年04月20日 07:14
読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。
Posted by なお at 2009年04月23日 10:00
なおさん。楽しみましたか(^_^)。
お礼は著者か出版社に。
Posted by 謫仙 at 2009年04月23日 19:38
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