2009年04月27日

沈黙の王

宮城谷昌光   講談社   1994.2
 長編の多い著者には珍しい短編集である。再読する機会がないので、HPをそのまま移転、本の紹介のみ。

沈黙の王
 夏王朝は400年17代続いたらしい。
 この物語はその途中であり、夏は一度切れてまた夏王朝に戻ったことになる。
 
 気になる記述がある。
 ゲイの部族は江南の滑県を本拠としていた。他部族と摩擦が多くなり、それをさけるため南下した。そうして黄河に到る。他の記述から、北上の間違いとは考えにくい。してみると、この江南は今の江南ではない。河南の間違いとしても記述が合わない。

妖異記
 周王朝(前期:西周)の滅ぶ様子を最期まで見守る伯陽。「沈黙の王」に続き、文字の扱いが主題となる。ここでは史家の強烈な矜持がある。文字を扱い歴史を書くことは、すなわち神の声を書くに等しい。
 のちの中国人の歴史の記録好きは、ここにその精神的基盤が見られる。
 自分は、主の王より神に近いと思っているようなところがある。神職であり、王より上の位と思っているのかも知れない。

豊饒の門
 鄭は渭水の下流域にあった。周が滅んだとき、国ごと、東の中原に引っ越していく。
 周も成周(洛陽あたり)にいき東周となり、名目のみの王となる。前770年ごろである。春秋時代の始まりであった。

鳳凰の冠
 晋の名臣である叔向の話である。夏姫の娘を娶った様子や、父の貧しかった時でも矜持を保った話など、感動的。ちょっと疲れる話でもある。
posted by たくせん(謫仙) at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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