「僕僕先生」の五年後である。王弁は薬の知識を得て、薬師としてそれなりの名を得ていたが、再び王弁の前に現れた美女仙人僕僕先生と、旅をすることになる。
前回は僕僕先生に振り回されてばかりだったが、今回は多少王弁も活躍する。
料理の真似をしたり、長沙の長雨を止めたあと、薄妃の恋に付きあわされる。
前回読みやすい文体と言ったが、もちろん今回も同じ。言葉が現代的なのだ。たとえば「……い、いたいです」と、形容詞+「です」を使う。わたしは今でもこの文は「間違い」という文字かちらちらする。それで、痛くて思わず間違った言い方をしてしまった感じになる。さらに「いたい」とひらがなであるとか。
頷くときは「そうなんだ」。これなど二十年にも満たない言葉であろう。子供言葉のイメージだ。わたしは今でも使えず、そんな時は「そうですか」と言ってしまう。
また関西弁を使ったりして雰囲気を表す。
僕僕先生と王弁の間も少し近づいたようだ。
こうして続編ではあるが、新鮮な感じがして読み飽きない。