7月22日は、46年ぶりの皆既日蝕で、日本中が大騒ぎになったという。わたしの周りでは話題にさえなっていないので、本当に大騒ぎになったのかどうか。現地では間違いなく大騒ぎになっている。
わたしのところでは部分日蝕で、しかも当日は曇りで見ることができなかったので、話題にならなかったこともある。
あちこちのニュースでは過熱気味。まあそれだけの大きな不思議な自然現象である。
いまでは、事前に細かく計算されていて、場所とその時間は秒単位で判っている。

本書は、ある日蝕の不思議な話などの、怪奇SF短編集である。
著者はSF作家であるが、当時はあまり知られていなかった。星新一・小松左京・筒井康隆・眉村卓・平井和正などが次々と傑作を発表していたころ、それらの人のグループの外にいた人というイメージがある。このSF作家たちの現れる前、間羊太郎というSF作家がいた。わたしはいろいろ探したが、ついに一冊も読むことができなかった。その間羊太郎がのちの式貴士だったのだ。
最近知った知識だが、式貴士は別名でエロ小説を書いていたという。当時は同一人物とは知られていなかった。この「怪奇日蝕」はそのエロ小説の面影が濃い。
怪奇SFというように、本格的なSFからみると異色である。決して科学的ではない。
表題作、2000年生まれの主人公が、2012年に金環日蝕を見れた(ママ)年から物語が始まる。ここで2012年の金環日蝕とあるが、実際あるだろうか。その前に2009年の皆既日蝕には触れていない。この本の発表当時は予測できたはずだ。このようなところで科学的ではないことが判る。そして月基地にあるソ連の核兵器貯蔵庫が爆発し、月の公転が止まってしまう。そして主人公をめぐる怪奇現象。
その他の作品もそんな非科学的怪奇物語だ。
著者のある幻想的な小説を再読したくて、図書館を探してみたが、どれか判らず、試みにこの本を借り出した。目的の小説はこの本ではなかった。田舎の妹の本箱の奥にまだあるかも知れないが、その中から探すのも面倒。図書館の他の本をあたってみよう。
さて、もうひとつこのシリーズの特徴がある。長いあとがきだ。この本は6冊目。それで「なんとなく、長いあとがき」、全部で222頁のうち、あとがきが24頁にわたる。長いと思うなかれ、長いものでは六十数頁だかあった記憶がある。4分の1があとがきだ(爆)。
三十年近く前の、非現実的な記憶。


ありましたね(≧▽≦)。
2009年の皆既日蝕には何も言っていないので、疑問に思っていたのですが、それなりに根拠があって、2012年に金環日蝕としたのでしたね。(^。^))
宇宙進出の速さは小説とは異なり、未だ月面は利用できていませんが、当時SFでは、このような話が多くありました。
さて、明後日の天気予報は曇りの様子。見られますか。