2009年10月09日

初めての京劇

 池袋にある、東京都芸術劇場で「TOKYO 京劇フェスティバル2009」という興行が行われた。
9月26日から10月5日まで、間に休みがあってのべ8日間。
 湖北省京劇院  「徐九経昇官記」
 中国国家京劇院 水滸伝「三打祝家荘」
 上海京劇院   水滸伝「烏龍院」
 北京京劇院   三国志「呂布と貂蝉」
 それぞれ四回ずつの公演。全部で十六公演というかなり贅沢なプログラム。一公演8000円。
 わたしが見たのは北京京劇院による「呂布と貂蝉」。京劇を一度は見てみたいと思っていたので、様子が判る「呂布と貂蝉」を見ることにした。
   主な出演者
呂 布……李宏図(一級俳優)
貂 蝉……郭 偉
王 允……韓勝存(一級俳優)
董 卓……陳俊傑(一級俳優)
李 儒……黄柏雪(一級俳優)
  
 中国では俳優を一級二級と分けるのか。貂蝉の郭偉は一級ではないのか。とつまらない疑問。アオリは

悪の権化董卓と美貌の勇将呂布を除かんと歌姫貂蝉の色香に賭ける王允の秘策がめぐらされた! 

 皇室をないがしろにする董卓。対立する王允は貂蝉を利用して董卓を除こうとする。
 まず呂布に貂蝉を与えることを約束し、董卓に貂蝉を見せて、貂蝉を董卓に与える。そして呂布をあおり、董卓を殺させる。
 三国志演義の始まりの部分だ。
 貂蝉は中国四大美人の一人に名が上がることもある美人。三国志演義は史実を脚色していて、貂蝉は架空の人物。このとき、貂蝉18歳。董卓58歳。

 廬思さんによれば、京劇の学校では、ある役には誰それと役者が決まっていて、入学したとき、どの役を与えられるかで、学校での役が決まってしまう。たとえば楊貴妃は廬思さんと決まっていて、楊貴妃の出る劇は必ず廬思さんが出たという。
 そうなるとその人の役者としての一生がその時決まってしまうともいえよう。演劇の世界は実力ではなく運だなあと思う。もちろんその運を手放さない実力も必要だ。
 今回は舞台の両側に台詞の翻訳文が出て、それを見ながらの観劇。あの台詞や歌声を中国人は聞き取れるのかな。
 劇なのであちこちにお約束の部分がある(はず)。

 董卓の仮面のような白い顔をはじめとする隈取り。
 董卓の多くて長い髭。
 呂布の女のような甲高い声。
 修羅場の武器の使い方。
 その時のお囃子。
 頭の飾り。衣服など。

 それぞれに意味があると思う。電気照明のない時代に、暗い劇場で遠くから役者を見たら、誰が誰だか判らない。それでこの役はこの衣装・この隈取り・この飾りと決まっていく。わたしはその内容は全然知らないが、それでも満足できた。ただ、また見に行くかというと、特別なことがない限り、おそらく行かないだろう。
 京劇とはこのようなものであったか。京劇の一部分とはいえ、見てきてよかった。
posted by たくせん(謫仙) at 07:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
見に行かれたのですね!
羨ましいです…!

>ある役には誰それと役者が決まっていて、入学したとき、どの役を与えられるかで、学校での役が決まってしまう。

これは行当(ハンダン)=役柄の事ですね?
隈取り役はずっと隈取りの役、とか、
知識人の役、アクション担当の役、みたいな区別があります。

白い隈どりは、曹操など、大体悪人役が多いです。

台詞は普通の中国語とは違うので、中国人でもなかなか聞き取れないそうです。
Posted by 阿吉 at 2009年10月10日 01:03
阿吉さん
中国人でもやはり聞き取りにくいのですねえ。日本の歌舞伎みたいに解説が必要?
学校での役とは、配役のことと思っていましたが、裏方の仕事も決まっているのかなあ。
アクション担当の役は判ります。あの動きは訓練しないとできません。もちろん他の役も訓練ですが、アクションは別な意味の訓練。
白い隈取りは悪役としても曹操が悪役ですかあ。まあ芝居ですからそういうことになっているんでしょうね。

さて次回ですが、その前に生きたいところがあるので、いつになるか。
Posted by 謫仙 at 2009年10月11日 07:24
私も京劇を見に行きたいのですが、歌舞伎も見たことがありませんので、そちらの方が先かと思っています。そういいいながら、歌舞伎もなかなか行けません。
どうも口では行きたいと言っていてもなかなか見に行けません。
謫仙さんのように、機会があったら行くのが、正しいのでしょう。うちのも友人と行くような話をしていました。今回は見送ったようです。

芝居というのは、約束事の世界ですね。二人が観客に向かって正座して、話をしていると言うのもその約束事の内に入るのでしょうか。テレビで見ているとなんとなくくすぐったい気がします。

私は暇になったらといろいろ考えていますが、いざ暇になってもなかなかできません。
謫仙さんのように思い立ったら行く人は、私も羨ましく思います。
Posted by mino at 2009年10月11日 19:48
minoさん
わたしも、いつか行きたいと思っていてもなかなか行けない部類に入ります。
今回は阿吉さんに紹介され、日も都合よく、席もあって、とタイミングが好かったので、行ってきました。
歌舞伎も行けませんねえ。あと相撲も一度は見たいと思いながらも行けません。
行きたいという気持ちと、それを実行する気持ちの間に、見えない壁があるようです。
Posted by 謫仙 at 2009年10月12日 06:29
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