2009年11月04日

矜持

03.9.8記

 先日の千寿会に二十歳のドイツ青年がきた。亡くなったハンスさんの実家近くの人である。院生修行をする。もちろんプロを目指す。
 千寿さんがこの夏にハンスさんの墓参りをかねてドイツに行ったところ、本人が希望したので日本に呼んだ。ただし日本に来るのは初めてではない。
 青年のお母さんの条件は「絶対に甘やかさないないでくれ」というものであった。
 家を出たら自分の力で生活する、絶対他人の居候をしてはならない、という強い矜持を持つ。そのため千寿さんは子供教室の管理とその指導役を命じた。
 考えてみれば、日本の囲碁は日本的矜持によって成り立っている。対局ルールにしても、紳士協定の部分がかなりあった。例えば第一手を右上ないし天元に打つなど。もちろん、これに違反しても罰則はない。02.4.7「終局の仕方」で起こった問題も、この矜持の持ち方の差かも知れない。

 昨日の碁会所であったことだが、相手が20目ものアタリに気付かず、他に打った。そんな時、わたしは打ち直しさせる。人によっては、そこで投了する。いずれにしても、黙って打ち抜くことはしない。
 矜持のもとはなんだろうか。欧米人なら宗教心であろうか。あるいはイギリスならばジェントルマン、アメリカならは正義感など。これらは別な面では悪を振りまくことになるが、強い矜持ではあるだろう。
 ドイツ青年の話は、矜持を持たない人の多い昨今、聞いてうれしい話であった。
   …………………………
 以下碁に関係ありませんが、掲示板にあった mさんの投稿とその返事です。

「矜持」を読みました。でも、あれはそれほどのことですか。誰でもが持つ、ごく普通のことかと思いますが。私もあれと同じ内容のことを、親に言われて東京に出てきましたし、たくせんさんもそうではないのですか。おそらく私の年代の日本人のほとんどはそうでないかと思います。
 仕事というのも、それで生活できるほどのものか。それも疑問です。碁のことをあまり知らない人のいうことですので、間違っていたら嗤ってください。

 m さん。
 普通の社会生活を送っている人には、確かに常識的な話です。しかし、最近この矜持を持たない人を見たり話を聞いたりすることが多くなりました。そんな時に聞いた話なので、すがすがしい感じがしたんですよ。
 次のような話があります。
 外国旅行のとき、区役所から健保の書類を貰う。某国の一部の人はそれを貰い、某国に行き、毎回重病を患うのに、元気に戻って来る。書類には現地の病院に支払った証明がある。区役所に申請すると、そこから支払われることになる。そうして大金を手にする。
 昔コンバットというテレビ番組があった。主人公は毎回大怪我をし、第二次世界大戦の四年間に二百何十年も入院したそうだ。そんなことも思いだした。
 この国民健康保険は某国に住む某国人にも適用され、某国では「某国の子どもを日本が育てる制度」とよろこんでいる。それらには、わたしにはとても恥ずかしくてできないようなことをするのだが、某国の人にはそれも収入を得るひとつの技能と考えている。
 或いは、住民票を数十枚申請する。某国に行くとそれが高値で売れるそうだ。
 日本の法律の欠点を衝くわけだ。そこで真面目に働いている某国の人は、表向きとは裏腹に石原都知事の強権ぶりに期待したりする。
 日本の法律も、これからは住民が矜持を持たないことを前提にして、作らざるをえないのかなと思います。残念ながら。
 それから彼の仕事が、生活ができるほど給料をもらえる仕事なのかどうか、ウーン、この点についてはわたしには答えられません。ただ、碁が強いだけではレッスンのプロにはなれません、ということを申しあげておきましょう。
posted by たくせん(謫仙) at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 千寿会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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