普通、碁を始めるとき最初に教わることは何だろうか。四つ目殺しと石の死活。ここまで30分ほどか。その次に、打ち方として、星の定石であろう。その最初が、下に示した基本定石である。
11月30日の千寿会は、チイちゃん(千寿先生)がお休み。釼持丈先生と高梨聖健先生の二人が指導に当たった。大盤解説のとき釼持先生が、基本中の基本ともいうべき定石に疑問を呈したのにびっくり。
星の黒に白が桂馬にかかる、白2。
黒は桂馬に受ける、黒3。
白が桂馬にすべる、白4。
黒は三三に受ける、黒5。
白は二間に開く、白6。
おそらく、最初に教わるのがこの定石であろう。それをなんと、「この早い時期に第2線(白4)に石が行くのは良くない。」と言うのだ。もちろん、このような考え方があるというのであって、否定しているわけではない。
碁の情報に詳しい人なら、なんとも思わないだろうが、わたしは碁の基本感覚を否定されたように感じた。いままでこの定石を疑問に思ったことは一度もない。もちろん、今後もこの定石は打つだろうが、そのたびにもっと良い手はないかと頭の隅でチラッと考えながら打つことになろう。