2009年12月14日

パワハラ

05.12.9記
変人奇人2 パワハラ
 中学二年生のとき、教師を殴った事がある。学校が荒れていたわけではない。
 わたしはそのころ既に耳が悪かった。補聴器も持ない時だ。英語の発音など聞き取れはしない。特に無声音は一切聞こえない。先生の英語は聞き取れないから発音の真似などできるはずがない。できないと殴られた。他の男子は一回だけだが、わたしだけ授業毎に2回づつ殴られていた。ある時殴り返したのである。その教師は真っ青になって声が震えてしまった。ただしそれ以後はわたしの教室では、その教師は誰も殴らなくなった。
 その教師は震える声で、「あとで職員室に来い」と言った。
 わたしは職員会議の時を狙って(二人だけではあとでごまかされる可能性がある)、行った。
「用事はなんだ」
 何も言われず無罪放免になった。クラスの担任の先生にはだいぶ面倒をかけたと思うが、詳しいことは知らない。
 わたしが高校を卒業したとき、すでに家は引っ越しして中学校のある村は、遠かったが、家に帰る前に回り道して、中学の担任だった先生に挨拶に行った。喜んでくれた。
  
 時は流れて、ある会社で、わたしはカッターナイフを持って仕事をしていた。とある上司が殴りかかってきた。事情はあるのだが、わたしから見ればその社員は“暴力用員”だった。わたしはカッターで……。
 警察を呼べない事情を知っていて…、なんて事は絶対にない。
 数年後、わたしなど異常な残業に耐えられない何人かの社員が辞めて間もなく、その“暴力用員”は退職したという。
 その“暴力用員”はアルコールに弱かった。当時の同僚が、ボーナスの出た日に、その“暴力用員”「飲みに行こう」と誘われたという。
謫仙「あれは飲めなかったンでは…」
同僚「ほとんど飲まない」
 それでどうしたのかと言えば、ついた女にいきなり「やらせろ」
 そんなことを三軒つづけて、ボーナスの出たその晩にボーナスの半分は使ってしまうと言う。給与の一ヶ月分以上だ。そのボーナスも実は残業代の変形(一部)であった。残業代を正規の七割程度しか払わず、残り三割をボーナスにしたと見れば間違いない。

 その会社では長時間残業が常態であった。定時間は170時間程度なのに、最も多い人は残業が200時間を超えた。一ヶ月の残業である。普通の人でも120時間程度、わたしは最も少なくて80時間くらいであった。それが上の“事故”の遠因となるのだが、それはともかく。
 200時間を超えた人の曰く。
「俺の友人たちでは俺が一番給料が多い。うちの会社は恵まれている」
 わたしたちは陰で笑ってしまったのであるが、その仕事ぶりはこんなふうだった。
「土日の連休はほとんど出勤した、月に一度だけ休んだかな。毎日夜12時近くまで仕事で、終電車で帰ることが多い」
 その人の食事は、毎朝弁当を2食注文し、昼に届いた弁当を、一食は昼に皆と食べ、夕方にもう一食を食べる。朝はどうしているのか聞き漏らした。
 こんな仕事ぶりで、友人たちより給料が多いと喜んでいるのであった。

 わたしが退社したころ、社員数は150人ほどになっていた。その後、二年ほどして聞いた話では、5人ほど過労死しているらしい。表だって過労死とは言わないので実情は不明だが、巷の噂である。この5人の中に、上記の人は入っていない。

 順序は逆になるが、社長は「わたしはいつも全社員と話し合い、納得して貰っている」という趣旨の事を言っていたという。
 わたしが入社したころ、全社員(百人以上)をあつめ、ボーナスの説明をし、「質問はないか」と訊いた。
 これが「全社員と話し合い…」の正体だった。それまで質問者はいなかったという。その時、若い女性があるお願いをした。「一部定期預金とされますが、非課税の枠はまだ余っていますので、それを非課税扱いにして下さいませんか」と言ったのだ。そのあと社長は、全ての部課長を集め、2時間怒鳴りまくったそうである。
「お前等の管理がぬるいから、女のくせに質問するのが出てくるんだ。どんな管理してるんだ!」
 それ以降、社員を集めて説明することも「質問はないか」と訊くことも一切なくなった。
 質問がないと「全員と話し合って…」と言い、質問があると「文句あるか」と怒鳴る人のなんと多いこと。二度と言わなくなったところをみると、案外まともな社長だったのかもしれない。
posted by たくせん(謫仙) at 07:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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