2010年01月10日

弱冠

 弱冠を辞書では「二十歳。二十歳ごろのこと」とある。周では男子は二十歳で成人として、冠をつけた。故に二十歳を弱冠という。
 ネットで調べたら、本来、二十歳を弱といい、弱になると冠をつけるとある。わたしの漢和辞典にはその説明はない。
 転じて年若い人の意味もあるのだが、誤用が広まったのであろう。誤用でも多くの人が使い、意味が通じれば間違いとは言えなくなる。それで辞書も二十歳ごろという意味を採っている。

「弱冠二十八歳」「弱冠十三歳」なんて文を読むと、判って書いているのかなあと思う。弱冠の本来の意味が二十歳だからだ。
 弱冠二十八歳を間違いとは言いきれないが、もっとふさわしい言葉がありそうだ。時代によって国によって身分によって、成人として扱われる年齢は異なる。中国の皇帝は十三歳で弱冠という話を読んだことがあるが、これは例外である。二十八歳で弱冠という話は聞いたことがない。

 似た言葉に「若干」がある。弱冠とは異なる言葉で、わずかの意味。「若干二十歳」は間違いと言えよう。わたしは「帰りの荷物にはまだ若干の余裕があります」を思ってしまう。八百年も生きた仙人が、二十歳を若干というのはありそうだ。
 若干を年齢表記に使うなら、例えば十七歳くらいの少年を、「二十歳にはまだ若干の間がある」と言うように使う。

「若冠三十五歳」と書いた人を知っている。意味を訊いたら「若いという意味だよ。若い人のことを『じゃっかん◯◯歳』と表現するんだ」と答えた。しかし、「若冠」という言葉はない。これは「弱冠」の間違いで、しかも意味も間違っている。二重の間違いだ。

 なお、弱冠は本来男子だけに使う。女子は「笄年(けいねん)」というが、十五歳のこと。十五で簪(かんざし)をつけて成人となったことから。

 わたしも正確な意味を知らない慣用句をけっこう使っている。自戒せねばならない。
posted by たくせん(謫仙) at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 言の葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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