11月25日から27日まで、箱根の第8回ふれあい囲碁大会に参加しました。参加者は前回から更に増えて150人。今まで300人が参加しているが、一度だけしか来なかった人は72名という。残りの約230名はリピーターということだ。公式広告はしておらず、参加者の口コミだけでこれだけ広がったのも珍しい。しかも主催者は碁を知らず、当初は飲酒まで許した。もちろん現在は禁酒禁煙である。
大会は7回戦制に変更されたが、都合上一部は8回戦となったクラスもある。今回、小林覚先生は土曜日に名古屋で、NEC杯準々決勝を張栩(ちょうう)名人と戦うため、金曜日は欠席、土曜の夜の宴会の時に登場した。名人戦は3勝4敗で敗れたが、それに続く今回は勝ちましたと報告。みんな一斉に拍手して大喜びしたものである。
宴会後、若手棋士を聞き役にして、自ら名人戦7局目を解説。内容はわたしには理解不能なので省くが、そんな風に考えるのかとびっくり。奥が深い。
ある場面で、「ここはこう打てば数目の勝ちが確定したが、更にいい手を思いついて、それを打ってしまった。それが敗着になった。後は真っ白」
レベルが違うとはいえ、わたしなどもよくあること。予定していた手より更にいい手らしきものが見えて、思わず打ってしまい敗着になる。
それはともかく、覚先生のいう勝ちが見えたという場面。わたしなどいくら説明されでもそうには思えない。
いま朝日新聞でその7局目の掲載が始まった。観戦記者は松浦さん。どう書くか楽しみである。なお、松浦さんは、わたし(謫仙)が今年の夏に千寿先生と週刊誌に掲載する碁を打ったときの観戦記者でもある。
話を戻して、覚先生は名人戦に続き、今日のNEC杯を解説。
「名人戦を負けたのに、この一局に勝っただけで、こんなにも皆さんによろこんでもらえるとは…」
さて、わたし個人の話をしよう。一日目に連勝して、二日目に三勝目、ここでAさんと三戦全勝同士でぶつかった。この一局、完勝したと思っていて、Aさんの勝負手を手拍子で受けてしまった。あっという間に30目もの石が死んで大逆転。Aさんは6勝1敗で優勝した。わたしはこの思いこみで無造作に打ってしまう癖を直さなければ、いつまでたっても優勝できないだろう。
この後、体調が悪くなった(朝食に牛乳を飲んだのが拙かったらしい)。幸い午後の第一局目は手空きだったので、部屋に帰って寝ていた。2局目を棄権するつもりでいたが、どうやらおさまったので会場へ行くと、午後の2局目に間に合った。これは完敗した。
3日目の第一局目、ここでも十数目の石が頓死。後から考えると劫であったが、その時は劫に気がつかず、隅四で死んだと思っていた。だが、死んだとして数えてみても、盤面持碁、コミの差だけ勝っていた。しかも先手。結局十目ほどの勝ちだった。
最終局、相手はそれまで全敗のBさん。わたしの圧倒的有利な局面。あたりの1目を抜いてから考えればいいものを、手拍子で打たないようにと、慎重に考えて打ったのだが、その次の手を1目抜く前に、抜いたつもりで打ってしまった。逃げられて、そこだけで80目ほどの地ができてしまった。
三敗目を喫し準優勝も逃したのであった。こう書くと運が悪くて負けたようだが、そんなことはなく、そういうことも実力のうちなのだ。みんな実力的には紙一重、誰が優勝してもおかしくない。そこを勝ちきった者が優勝する。優勝するのは大変なことである。
今回、指導棋士として武宮陽光五段が参加した。覚さんが初日欠席のため、代わりを依頼したという。覚さんの登場と入れ替わって、万波佳奈さんが二日目で退場した。月曜日に手合いを控えているので、日曜日は休ませたいという、覚さんの話があった。
指導棋士
下島陽平七段・瀬戸大樹六段・万波佳奈三段・孔令文四段・小林覚九段・笠井六段・倉橋九段・武宮陽光五段
インストラクターの伊勢さん・木下さん。