2010年01月22日

親鸞の不在証明

鯨統一郎   祥伝社   06.9

 記録の少なさから、親鸞の実在が疑問視されたことがある。大正10年に親鸞の妻である恵信尼の手紙が見つかり、その内容から、親鸞の実在が確認された。

 この本では、それをあらためて取りあげ、親鸞はいなかったという話をする。もちろん親鸞はいたのだが、それは後に言われた親鸞とは別人。名前を借りたようなもの。
 浄土真宗中興の祖蓮如が、親鸞という理想像をでっち上げた。その時、実在の人物の名を使ったと推理する。
 ミステリーにおいて、結論を先に言ってしまうのは御法度だが、この物語は、親鸞の謎は表向き、実際は豪農である五条丸家に婿入りした寛八郎が、婿入り後に起こる不思議な恐ろしい事件を蓮如に解決して貰う話だ。その話を聞いた六郎太が「親鸞は…」と推理する。
 劇中劇というものがある。この物語は説中説の五条丸家の話が95%といったところ。
 蓮如の時代の人が、現代語のような話し方をするので、現代人が推理しているような気になるが、ミステリーのできはいい方であろう。紹介する価値がある。
posted by たくせん(謫仙) at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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