第9回ふれあい囲碁大会の笠井六段の講座から二題取りあげる。
二題とも、プロの常識であるという。特に切り違い一方を伸びるな、はプロの常識であるにもかかわらず、それを書いた本は存在しない。

この場合は1の割り込み、これ以外の手は考えられない。
これはわたしもよく使う手である。しかし、目的は黒3を1の2路上に打ち、白を分断するためである。それをこうして黒3を打つのは、打ったことがない。高段者諸兄には常識なのであろうか。白は断点が二カ所あり、黒は有力な手である。

切り違いは単独で存在することはなく、必ずまわりに配石がある。たとえばこのように切り違う。従来は一方をノビよ、といわれた。そういう例外もあるが、常識はこのように自分の方に引き寄せる。一方をノビるプロはいない。しかし、どの本にも一方をノビよという。
早い話、黒3がすでにあって、黒1と抱えたとき、白が2と逃げた状態であり初級者でもそんな手は打たない。そう考えてみれば、一方をノビルよりはるかに勝る。
二題ともわたしは目から鱗が落ちた。