昨日の「その時歴史は動いた」で本因坊秀策を取りあげていた。
ヒカルの碁でおなじみの虎次郎である。
お城碁では空前絶後の19連勝無敗。その偉業の背景や意味を詳しく解説していた。ただし、現在とではシステムが違うことを説明して欲しかった。当時は段によるハンディ戦。黒を持つことの多い秀策は勝ちやすかった。
(10年追記: 昨年鬼籍に入った安倍吉輝九段は、このレベルでコミ無しで白が勝つのは無理と言っていた。
参考:本妙寺−本因坊家の墓 )
先人の道策は白番であることを思えば、空前という言葉の意味もニュアンスが変わる。
名高い「耳赤の一手」も名手と解説していた。しかし、坂田さんは、「現代の棋士なら誰でもそこに目がいく」と名手説に疑問を出している。
なかなかの力作だったと思う。ただ碁を打つ手つきが問題だ。うまい人もいたが、それでもプロの打ち方ではない。特に下手な人は碁石の持ち方を教わったばかりという感じだった。ある人は肘をあげていたが、それもおかしい。ヒカルの碁ではそのように描いているので、それを見て錯覚したのかも知れない。念のためいうと、ヒカルの碁を描いている人は碁を知らない。
この問題では、前にも小林光一さんが苦情を述べていた。そこの所だけ手だけでも本物らしくして欲しいと。たとえば字を書くシーンなどは、字のうまい人が手の代役をする。同じように碁を打つ手を代役にできないものか。
今わたしは武侠ドラマ「神G侠侶」を見ているが、武侠ドラマはよく楽器を奏でるシーンがある。流れる音と手の動きがバラバラ。これは仕方ないか。
全体的には碁を知らない人にもわかりやすく解説していた。白番黒番とかコミとか言わなかったのは、そこを細かく追求しては碁を知らない人には面白くないからだろう。
なお、お城碁の場面では、将軍の前で二人きりで対局し、大勢の武士が(旗本や大名か)見ていた。実際には碁所を除く、家元三人と跡目と七段以上の棋士がそろって対局し碁所が差配していたはず。判っていてやったと思うが、映像では不自然さが目立つ。