2007年03月05日

試合にはルールがある

06.8.06記
   
 先日、ボクシングで亀田が勝って、世界チャンピオンになった。
 わたしが結果を知ったのは次の日の新聞である。初回にダウンを奪われ散々なできだったらしい。それでも勝った。
 それに対して放送局などに非難の嵐が来たという。「負けである」「八百長では」などという意見だ。これだけで負けと思う人の方が多いとはいえない。勝ったと思っている人は黙っているからだ。
 それらの記事を読んで思った。これは「ルールのある試合」であることを忘れちゃいませんか。
 ボクシングは採点制である。ダウンは2点、優勢は1点。これを10や12ラウンドなど重ねて合計点で競う。途中経過が示されないので、採点の不正も考えられるが、それはともかく、ダウンしてもマイナス2点なのだ。
 昔、ノックアウトを狙うボクサーに「ダウンを奪っても2点、優勢を2回取れば2点、だからKOを狙うな」という指導者がいた。
 ダメージを受けようがダウンしようが点が多ければ勝ち。それがボクシング。

 アマの碁でも似た話があり得る。
 劫になったりして時間が長引く、どう打っても20目程度の負けである。残りは半劫一つになった。まだ多少の時間があるので大石のセキを劫立てにする。
相手がその劫立てを受けると、こちらの100目負けが確定する。
ところが相手が40目の石を取りあげているうちに時間切れになりそう。かといって劫立てを受けなければ、逆転する。
 半劫をネタに時間繋ぎをあちこちで打つ、それさえなくなれば自殺手を連発する。時間切れ狙いである。碁では負けていてもルールによりゲームは勝ち。もちろんわたしはやったことはないし、やられたこともない。
 インターネット碁では、石の取りあげはサーバーがしてくれるし、秒読み制が普通なので、そんなことはできないだろう。
 ネット碁に慣れている人が、時間切れ制、秒読みなしで対戦すると起こりそうな気がする。

 千寿さんが欧州でこどもたちを指導するとき、ネットで育ったこどもたちは、作ることができないという。ネットでは作らず計算してくれる。つまり作るということを知らないのだ。そこで、死に石を取りあげ碁をつくることを教えねばならない(^_^)。
 状況の変化は信じられないような事態を引き起こす。
posted by たくせん(謫仙) at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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