2010年03月01日

桜宵

北森鴻   講談社   03.4
 香菜里屋シリーズの一冊目。ミステリー短編集である。
 三軒茶屋の香菜里屋に持ち込まれる謎、この謎を解いていくマスターの工藤。
 この謎は解明するわけではない。
 お客が持ち込んだ謎に解決する方向を示す。そして表面的な謎は解決する。だがその謎には裏がある。その謎の裏を、出される料理などを参考に思い至るのだが、さらに奥があり、それは暗示で終わる。この二重半の謎はかなり複雑である。人は誰でも心の闇を持っている。それをあからさまにすることが、謎を持ち込んだ人の幸せに繋がるかどうか。そこで、暗示で終わらせることになる。
 わたしは謎解きだけが目的のパズルのようなミステリーは好まない。北森鴻はミステリー性を持った人情小説の形で話をすすめる。だからいつも余韻を残す。工藤の個性がにじみ出るような短編集だ。
posted by たくせん(謫仙) at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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