2021-2-10改訂
李清照後主詞欣賞
佘雪曼 台湾大同書局 1982年
この書名は李清照と李後主、二人の詞の欣賞ということ。
李清照の項で書いたように、わたしは台湾を旅行したおり、この「李清照後主詞欣賞」を買い求めた。三分の二は李清照の解説、三分の一は李後主の解説である。
李後主とは南唐の三代目の李U。後主とは二代または三代で終わった王朝の亡国の王のことで不名誉な称号である。
著者の名の「佘」はジャ又はシャと読む。名前にしか使わない文字だ。このことは去年の雲南旅行のおりに岡崎由美さんに教わったばかり。
繁体字で金石録後序の解説もある。読めないとはいえ、先の「新譯漱玉詞」と比べてある程度推測できるところもある。
金石録後序には本来はなかったであろう句読点があるため、文の区切りを間違えずに済む。また解説もあるため、「新譯漱玉詞」での疑問を考えることができた。
わたしの「李清照年表」は数え年で、「政和甲午新秋三十一歳」なら元豊7年生まれ、建中靖国元年18歳結婚としたが、この本は同じく「政和甲午新秋三十一歳」から計算し、元豊6年生まれとしている。満年齢だ。宋の時代には満年齢で数えただろうか。
年表の紹興5年のところに、「……紹興二年」の文があるが、その紹興二年を紹興4年の間違いとしている。そしてその時満52歳であると。
しかし、元豊6年生まれでは、紹興4年は満50歳または51歳である。
そのあと、
紹興13年には存命、享年は六十以上だが、死去は不明。とある。
なお附録に、張壽林が諸説を紹介しているが、読み切れない。いまでは、日本語訳された李清照も存在するので、これは無視していいだろう。
李後主については、いろいろ資料があり、世に知られているため、わたしのようなの門外漢には疑問の余地はない。
日本にも優れた李U詞の解説書があり、歴史にも登場するので、日本語以外すべて苦手なわたしはこの本は参考程度。