2010年06月20日

招差術

 招差術  天地明察の参考

 この本、題材やストーリーなど、目の付け所がよく、わたしも夢中になって読んだが、細かいところにミスが多く残念だ。碁に対する間違いは前に書いたが、数学にも疑問がある。これは私が高等数学を知らないせいかもしれない。実際この設定で、答えを試みた人がいる。不思議だ。わたしの疑問を書いてみた。

P236 招差術

『今有如図大小星円十五宿。只云角亢二星周寸相併壱十寸。又云心尾箕星周寸相併廿七寸五分。重云虚危室壁奎五星周寸相併四十寸。問角星周寸』
shousajiutu.jpg
『今、図の如く、大小の十五宿の星の名を持つ円が並んでいる。角星と亢星の周の長さを足すと十寸である。また心星と尾星と箕星の周の長さを足すと二十七寸五分である。さらに虚星、危星、室星、壁星、奎星の五つの星の周の長さを足すと四十寸である。角星の周の長さは何寸であるか問う』


 という問題がある。これで問題になっているのだろうか。一応、図では星は順に大きくなっているが、問題を見てみると、
角星と亢星は十寸            平均 5寸
心星と尾星と箕星は二十七寸五分     平均 9.17寸(端数切り上げ)
虚星、危星、室星、壁星、奎星は四十寸  平均 8寸
 となり、順に大きくなっているわけではない。しかも星の大きさについて、説明はないので、一定の法則で大きさが揃っているとは限定できない。
 出鱈目に、角は1、 亢は9、 心は1、尾は20、箕は6.5となっているかも知れないのだ。
 当時は「星がならんでいる」といえば、ある法則が適用される約束事があったのだろうか。数列でもよい。
 この問題には「招差術」とは書いてない。招差術を適用することに気がつくのも問題のうちか。しかし勝手に限定してよいのか。
 この問題はわたしならば即「無術」である。
posted by たくせん(謫仙) at 07:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
237ページに

「……招差術か」
 にやりと村瀬が笑った。春海は酔いでぼんやりしながら、こくんとうなづいている。

という記述があるので、「招差術」と考えてもいいのではないでしょうか。といいつつ、名言はしていないので、違うのかもしれません。

そうそう、もしよかったら
http://blog.goo.ne.jp/hirosawa_s/e/b50afbf6f57e91be5da4361eb040b9d9
この記事を読んではいただけないでしょうか。
「無術」にしない「糸口」のようなものが見つかったかも知れません。
Posted by ひろさわ at 2010年06月16日 02:45
そう、その言葉で招差術と読者は判るわけですが、さて、問題には書いてなく、説明もない。「ある法則によってならんでいた」とあればこれは招差術で解くのかと、思う人がいるかも知れない。
勝手に回答者が、問題の一部を追加していいものか。と言うのがわたしの疑問なんです。

その前に招差術とはなんぞや、というわたしの疑問もあります。それも知らないで書いてるわけで、知らないからこそ疑問に思えるのでしょうか。

ご紹介の記事、わたしの数学力では理解できませんが、ある法則にあてはめていますよね。そのような法則を適用する事を問題では言及していないので、問題の不備を補った上で解いているように思えます。
それにしても、そこまで考える人に脱帽。
Posted by 謫仙 at 2010年06月16日 07:39
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