(なんとか)とかけて、級位者を教えるアマ4段と解く。
(その心は)もっともらしいけどホントかなあ。
千寿会でのある終局処理である。
この盤面、どうしてこうなったのかは、このさい無視してほしい。問題の部分以外は正確ではない。
お互い「終わりましたね」と声をかけてから、黒1・白2・黒3とダメを詰めた。本来なら白が手入れをするところだが、白も気がついていないので手入れをしない。
白は4と最後のダメを打つ。これで終わりにしそうなので、見ていたわたしは声をかけた。
「お互いがこれで終局としたら、これで終わりです。でも二人とも重大な見落としがある」
少し間をおいて、二人とも「どこですか」とわたしに訊く。
「このあたりを考えてみなさい」、と問題のあたりを示す。
お互いかなり考えていたが、白さんは気がつかないのかどうか、黒さんに「あなたの番です、どうぞ」という。
黒は5と打った。白は6と応じたが、ここにいたって、白さんは問題に気がついた。黒さんは黒7の右に打とうとする。わたしは黒7の手を示した。
「こっちからですよ」
しかしお互いにまだ黒7の意味に気がついていなかった。白は黒5の石を抜く。黒は3目抜き。これによって死んでいた黒石10目が生き返ってしまった。ここでようやく、二人とも黒7の意味が判ったのである。それでも数えると白が2目余した。
正しくは黒は5ではなく6からキリ、白は7ツギ。黒5で8目ヌキであろう。
問題は、黒7の手を教えたことは除いて、この処置はこれでよかったのだろうかということ。
一 白4まで戻って、ここで終局とする。
二 こうなることが判ったので、白4まで戻って、白に手入れをさせる。
三 黒5まで戻って、黒6・白7・黒5で終局させる。
四 黒7まで戻って、黒7の右に打たせ白7ツギ・黒3目ヌキで終局させる。
五 お互い承知しているので、この処置でよい。
ルールでは、
第九条−1(終局)
一方が着手を放棄し、次いで相手方も放棄した時点で、「対局の停止」となる。
第九条−2
対局の停止後、双方が石の死活及び地を確認し、合意することにより対局は終了する。これを「終局」という。
第九条−3
対局の停止後、一方が対局の再開を要請した場合は、相手方は先着する権利を有し、これに応じなければならない。
ルールを解釈すると、
「終わりましたね」と声をかけたことで対局の停止。わたしが問題があることを指摘しても白さんは気がつかなかったようなので、次のように解釈した。
1 黒は再開を要求した。
2 白の手番で再開した。白はパスした。
3 黒は5と打って対局を進めた。
これでよいか。かりに白から「終わりを確認した以上、それを打ってはいけない」と抗議が来たときのこの場の解釈であり、教える立場の態度の問題である。
もちろん、その時こんな心配をしていたわけではない。間違いがあったら打ち直しながら進めていた対局である。原則はどうなんだろうと思った次第。