表題作を含む短編集である。阿刀田高の短編は、いつも不思議な雰囲気を持っている。 オチがハッとさせられる。ああそうか、と思うのだが、それが予測がつかなかった。ところが、この本ではある程度こうなりそうだという予測がつく。的中するわけではないが、まるっきり外れるわけでもない。
わたしが読み慣れたのか、著者のペンが変わったのか。
「小説ウイスキー教室」では、その不思議な酒場にきたのは、一度目はうれしいとき、二度目は悲しいとき、そして今夜は三度目。バーテンダーの後ろには今夜の教訓が書かれている。
酒を飲む三つのタイミング
一つは、うれしいときに
二つは、悲しいときに
その他の全てのとき
ボトルがからになり、夢が消え、現実だけが残った。
これだけでは独特のオチは判らないが、雰囲気だけはなんとか伝わらないか。
読み終わったあとはさわやかな感じがする。しかし中身はほとんど憶えていない。ストーリーを憶えていないのは、阿刀田小説に共通しているので、気にはならない。上品なユーモアやオチを楽しめればいい。
回復の挨拶回り書きこんだつもりでしたが、できていなかったようで失礼致しました。
さて。阿刀田さん、そういえば「〜を知っていますか」シリーズを二冊ほど読んだだけで、読んでおりません。印象もあんまり残っていません。今回書かれている話からすると、星新一とかそんなくらいのタッチですか? それともわたせせいぞうくらい? かな。記憶に残らないのがもちあじなのか、それとも私の記憶力が悪いのか。
ところで、沖方丁さんのSF最新文庫のほうを読み始めました。
また読んだら感想アップいたします。
無事退院して、日常生活に戻ったのですね。
「〜を知っていますか」は小説ではないので、参考ですが、文は判りやすい文ですね。難しいことをやさしく解説する本でした。
星新一は出だしからオチの面白さを狙っていますが、阿刀田高は小説として読みがいがあり、オチは付け足しのようで意味が深い。わたせせいぞうは知らないので…。
別な本ですが、次のような話があります。
元学生と恩師が集まって、怪談百話で、幽霊を呼ぼうという。
主人公が食べているものの味がなつかしい味がする。幽霊は出なかったが、主人公はあの味は幽霊ではないかと思う。
オチだけでは話が持ちませんので、そのストーリーも味があります。
どうでしょう。
沖方丁さんのSF最新文庫ですか。広告を見たことがあります。感想が楽しみです。
そうそう、前に古語の話の本がありました。読みましたが、ひとに勧めるような本ではないので、感想は書きませんでした。