法律にもいろいろあるが、我々から見ると奇妙な法律を紹介している。
わたしは椎名誠の紹介でこの本を知った。だが読んでみると椎名誠が紹介したような内容の話ではない。おかしいなと思いながら読み終え、参考図書を見ていたら、「変な法律」という本があり、椎名誠が紹介していたのはそれだったのかと思ったのだ。
今から考えるとおかしな法律も、成立当時はそれなりの合理的な理由があったはず。ところが中には成立当時からおかしな法律もある。
例えば、帯に書かれた法律、
スタイルが悪い女性はビキニを着てはならない
これなど成立当初から反発があって、それならとトップレスになった人がいて大騒動になったという。
これはイタリアの話。
わたし(謫仙)の記憶では、日本でかなり前の話だが、不要になった法律を廃止しようという野党の要求に対して、実際に適用していない法律を廃止するために、時間をかけて議論をするのは時間の無駄だ、と自民党が反発し、そのために長時間かけて議論し、廃止に応じなかったことがある。
こんなのが積もり積もって、中には変な法律になっていくのだろうか。
日本では、雪国はつらいよ条例、という話もあった。正しくは「雪国はつらつ条例」だが教科書に「雪国はつらいよ条例」と間違って載せられてしまった。
間違いの原因を探ると、溌剌という漢語をひらがなにしたミスがある。漢字が使えないなら、漢語は意味をなさない。
フランスでは「死ぬことを禁ずる」というのがある。お墓の用地がなくなってしまったのだ。
こんな変な法律はアメリカに多いという。お国柄で法律に書いてないことは許されると考えられるため、広く網をかける傾向があるため。
ビジネスではわたし(謫仙)の記憶では、「高層ビルの窓から冷蔵庫を捨ててはならない」なんて冷蔵庫の説明書に書いてある、という記事を読んだことがある。窓から捨てた人が「説明書に書いてなかった」と説明書の不備を主張したためだ。そしてアメリカの裁判ではそれが通ることが多いのだ。
説明書の前に常識というものがないのかと思ってしまうが、こういう国民を相手にすると変な法律ができそうだ。
橋の上で立ち止まってはならない。アメリカ
ハトをびっくりさせてはならない。アメリカ
愛人のいる公務員は停職とする。中国
日本の法律は、できあがったものが立法意図からかけ離れてしまうことが多いようだ。そんなわけで、変な法律にはその国の性質といったものが感じられる。
例えば「宇宙人からもらった拳銃を撃ってはならない」などとあったらアメリカだろうとか。
説明を読む前にその法律が成立した意味を考えると、ちょっとした頭の体操?
・職務違反をした警官はハローキティの腕章をつけて働かなくてはいけない。
・同性同士で常識を越える方法で性交してはいけない。
・犬と猫の同棲は違法である。
・音痴な人が公共の場で歌を歌う事は違法である。
・浮気をした場合は、罰金20ドルを科す。
・16歳以下は、学校でタバコを吸ってはいけない。
・市民は死ぬことを禁じる。
古代ローマでは法律を廃案にするのではなく、違う法律を作って、重複する内容・矛盾する法律については新しい法律をつくって、新しい法律を優先するとかにしていたそうです。反対派の意見をきいて古い法律を廃案にする手間や関連法案を全部吟味するより簡単勝つ強いというのが興味深かったです。
日本の場合は、そういうのとは違って、今となっては、、という法律が多いのでしょうね。
それはおそらく椎名誠さんが紹介した方なんでしょう。かなり内容が違いますから。
法律や国際条約では、矛盾した場合は、新しい方が優先されるようですが、そのままでは六法全書が分厚くなるばかり。庶民の手からはますます遠くなりますね。
はっきり不要と判っていればまだしも、「ほとんど不要」では廃止しにくいでしょうし、条文を手直しするのは面倒、ということもあると思います。
古代ローマでも、そのような問題処理がなされていたのは驚きです。あの時代にそこまで法律に対する考え方ができていたとは。脱帽しますね。