2010年12月01日

博士の異常な発明

清水義範   集英社   02.03

 短編集なのであるが、最初に一編書き下ろしを添えてある。「史上最大の発明」である。これは前に紹介した 2000年間で最大の発明は何か に対して各専門家が意見を述べるというもの。もちろんこれも小説。
 一般常識から卓越した発明は必ずしもプラスになるわけではない、というような話が多い。
 例えばある特定のペットボトルを分解する細菌。これでごみ問題を解決していくのだが、変異種が現れて、予定した以外のプラスチックを分解していく。例えばドレス。絹や木綿で作るのだが、糸は化繊なので分解されてバラバラになってしまう。
 考古学の話もある。一万年後、沈没した日本が再び浮上する。そしていろいろ研究するのだが、沈没したのはコマツ卿の説の1973年ではないか、いや21世紀にも存在したという記録もある、などと論争。トチョーシャは神殿か、などという論争。東京の人口は20万人という説。
 今の人が1万年前の遺跡を見て、こんな珍説を展開していないかと思うと、思わずにやりとしてしまう。
 わたしはこういう、過ぎた場合どうなるか、という話が好きなのだ。
 ある老人が大発明をしたという。しかし、その資料は失われ、しかも老齢のため、記憶力が衰えていて、本人は再現できない。話もあっちこっちに飛び、なかなか本題に入ることができない。本人はその大発明の成果について少しも喜んでいない。この歳になってこれ以上長生きしても…。こんな気持ちで35年も過ごしてきた。これが人類の永遠の夢を実現した人なのだ。

 久しぶりに楽しい本を読んだ。
posted by たくせん(謫仙) at 07:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんな話いいですね。
今日金星ロケットが成功か失敗か・・・
これで人の暮らしが変わる訳ではない。

でも、人はいろいろと発明して、その中のほんの一部を
使っていまがあるのかも・・・

面白そうな本ですね。
Posted by オコジョ at 2010年12月07日 20:16
オコジョさん
発明は偉大な発明ほど、その時は現実離れしていて、どう役に立つのか判らない。
小さな発明はすぐに役に立つ。
その間で研究者は苦労しているンでしょう。
今のように余裕のない時代は、小さな発明に向かいがち。それでも惑星探査機など夢を持たせてくれますね。
Posted by たくせん(謫仙) at 2010年12月08日 10:52
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