投稿日付を変えた。
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先日予告したように、横綱審議委員会委員長の鶴田さんに誘われて、23日に「稽古総見」を見てきた。総勢5名。
稽古総見は、本場所前に力士の仕上がり状態を、横綱審議委員会委員に見せるために行うもの。毎場所前に開かれている。
初場所前は相撲教習所で開かれていたが、今回は本場所と同じ土俵で行い、ファンに無料公開した。
8時半に両国駅前に集合。国技館前らしく、相撲の像がある。
初場所の看板が駅前から大きく見える。
入り口の方へ向かうと触れ太鼓の櫓があり、幟が目立つ。ここまで書いて国技館の全体像を撮ってないことに気づいた。
国技館に入るのは初めてだ。入り口は「国技館」の看板だけが不似合いなほどに古い。
入り口を入った正面には、優勝杯やNHK杯などが飾られている。よく見ようとしてガラスに頭突きをしてしまった。
一階の枡席は既に空席はなく、二階へ行った。
二階席からでも、力士の動きがはっきり見える。西の中心あたりの席に座った。左が正面(北)、右が向正面(南)。
赤いのが枡席、左の白い席が横審委員席。まだ鶴田さんは来ていなかった。
いま何もないところは本場所ではタマリ席になる。ちなみにタマリ席は一人14300円。二階のイス席Cは3600円。自由席2100円とあるが、図を見てもそのようなイスは見当たらない。立ち見のことか?
申し合い、勝負がつきそうになると、まわりの力士が声を上げて土俵に上がる。勝った方が次の相手を指名する。わたしのような遠慮深い力士には稽古の機会がない(^_^)。
左側が空いているのは、そちらに横審委員席があるため。委員に見せるための稽古である。
横審委員席、こちらから4人目が委員長の鶴田さん。その後ろに枡席二つ離れて、場内アナウンサー。
「東方(ひがしがた)、変わりまして◯◯◯」と次に指名された力士を紹介する。今は十両と平幕。
しばらくして、ぶつかり稽古。
「胸を貸すのは◯◯◯、ぶつかるのは□□□」とアナウンス。
土俵際に◯◯◯が外を向いて身構え、□□□が外からぶつかりそのまま反対側まで押していく。◯◯◯は姿勢を変えず、足はそのまま土俵上を滑って行く。何度かそれをしてから、ぶつかったとき横に転がす。これは転がる練習。早く出世した力士はこの転がる練習が充分でないため、怪我が多くなりやすい。
幕内上位になると、人数も少なくなる。
稀勢の里・把瑠都・琴欧州・白鵬が登場すると一際大きな拍手が起こる。
把瑠都は体が大きいので目立つ。声援も多かった。
白鵬は足腰が安定している。そのため身体が大きく見える。見ていて負ける気がしない。
魁皇と稀勢の里が申し合いをしているとき、白鵬が割って入った。そして稀勢の里と申し合い。
なんと白鵬が張り手! 稽古で張り手とは。この日張り手は白鵬だけである。禁止されているわけではないが、稽古に張り手は意味があるのか。もちろん張り手が武器の力士なら、張り手の練習で意味があるかも知れないが、白鵬は四つ相撲である。ぶつかり稽古でも稀勢の里を指名し、なかなかやめず、稀勢の里はフラフラになっていた。
鶴田さんがベタ褒めの白鵬だが、わたし的にはこの一事だけで白鵬の株は暴落した。
相撲界には「かわいがる」という言葉がある。早くいえば厳しい稽古だが、証拠の残らないリンチにもなりえる。この日は稽古総見、身体の仕上がりを見る会なのだ。本当の意味で稽古をする場所ではないだろう。
わたしの文を「それは見方が浅い」と思う人が多くいると思う。「格闘技の世界を知らない」と。そうかも知れない。
そしてもうひとつ、力士とは意外に持久力がない。一人数分である。実際に動いているのは、ボクサーの1ラウンド分もない。それでは水入りの大相撲はできないだろう。考えてみれば百メートルダッシュを繰り返しているようなもの。それを何回できるか。
四股を踏んだり鉄砲を張ったりして、基礎筋力を鍛えることが重要になってくる。
帰りは正面出入り口で力士が観客を見送る。わたしは別な出入り口から出た。門の所で、大相撲カレンダーを配っている。一枚で一年の大きなポスターだ。無料公開の稽古総見なのにこのサービスぶり。
ところで、「大相撲」とはどういう意味か(^_^)。
「大相撲になりました」という言葉ではなく、「大相撲一月場所」の大相撲という言葉の意味。
幕内力士が出るのが大相撲。十両以下だと中相撲。幕下以下だと小相撲。と憶えていた。これは子供のときに見た相撲の説明にあったのだ。
中相撲をなんと読むかと辞書を見ると、載っていない! 「なかずもう」と読むだろう。この言葉が実際に使われた例を知らない。
広辞苑には小相撲(こずもう)が載っている。
1、相撲取りの弟子。地位の低い力士。
2、本相撲をまねて相撲をとること。またその相撲。しろうと相撲。
幕下以下は力士ではなく力士見習いだから、しろうと相撲といえなくもないし、地位の低い力士にも相当するが、大中小と分類した意味合いとは少し違う。
囲碁用語でも指摘したように、広辞苑といえども専門用語には間違いがある。だから、中相撲や小相撲という言葉がないとは言いきれないのだが、わたしの知識が心配になってきた。