2011年01月14日

碁狂ものがたり 

中山典之   日本棋院   昭和57年
 この本はHPで紹介していたが、加筆してブログに移すことにした。
 碁にまつわるエッセイである。プロもアマも登場する。中山氏の筆はプロである。碁の余技ではない。タレント本と混同してはいけない。多少の碁の知識を必要とする話が多いのが特徴である。
 例えば、小林光一九段のせりふ。
 「このごろ、よく爪が伸びるなあ。昔は、この指の爪だけは切ったことがなかった。勉強量が減っているんですね」
 碁石は人差し指と中指で挟んで持つため、人差し指の爪がマニキュアを塗ったように光り、磨り減っているという。
 線が一本足りない碁盤の話。
 ヒカルの碁で書いたインチキ碁盤や碁石の話。
 お寺に献納された詰碁の額。
 記録係の話。
 碁盤についてこんな話がある。碁盤の厚みはどのくらいがよいか。結論は4寸弱(1寸は約3センチ)だ。
 これは足の長さで調節すれば3寸盤でも同じだと思うが、それはともかく、12寸盤つまり1尺2寸盤が現れた。2尺盤まで現れたという。あきれかえってしまう。
 ちなみにわたしの持っている盤は3寸盤で足と合わせて7寸(21センチ)になる。2尺(60センチ)がいかにバカバカしいか想像がつこう。
 なお最近は椅子に座っての対局がほとんどだ。そうなると足のない1寸盤や2寸盤が中心となる。
 盤の裏には中心に浅い穴がある。ヘソという。なんのためにあるかと、クイズ番組で取り上げられたこともあったが、実は理由は判っていない。飾りと考えるのがまともではないか。

 その他、碁の周辺に蘊蓄を傾ける、中山氏の教養知識に脱帽する。
 全体は、「碁狂ものがたり」と「盤側の春風」の二部構成となっている。盤側の春風の6話は前に紹介した、 実録囲碁講談  の続きである。実録囲碁講談は囲碁雑誌に連載されていたのだが、単行本にするときこの6話は洩れていた。あらためてここに収録した。

 中山典之(1932−2010)はすでに鬼籍に入った。
 鈴木五良八段に入門。1962年入段。1992年六段に昇進。
posted by たくせん(謫仙) at 08:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/180594933
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック