2011年02月06日

囲碁の世界

中山典之   岩波書店(岩波新書)   1986.6

 中山さんは、碁の外国普及に力を注いでいた。そして筆も立つ。
 古代の碁エピソードから現代の西洋囲碁事情まで、楽しく紹介ししている。
 碁は四千年にわたって多くの人をとりこにしてきた。碁を友とした日本と中国の貴族や武人。名人碁所を巡って血戦を繰り広げた江戸の碁打ち。新聞のタイトルを争う現代のプロ棋士。青い目の碁狂たち…。中山さんはこのような碁の魅力を語っている。
 聖武天皇といえば奈良時代。このころすでにプロ棋士がいた。棋力は判らないにしても、碁を職業としていた人がいたのだ。
 中国では、関羽が腕の骨を削るような大手術を受けたが、碁を打ちながら手術を受けたという。そんな昔の話や伝説。
 江戸時代の隆盛。現代(1986年当時)の厳しい棋士生活事情。欧州の囲碁事情など、今読んでもハッとさせられる。
 このとき(1986)すでにコンピューターに碁を打たす試みが行われていた。まだパソコンという言葉はなかったようだ。
 試みはもっと早くからあった。つまりこのころようやく形を整えたというところであろう。
 それから25年もたち、現在(2011年)のパソコンソフトはすでに初級の域を脱している。三段くらいと言う人がいる。

 最後の言葉、
 碁は人の心を豊かにする。碁にとりつかれた外国人は、何とかして碁の天国、日本へやって来ようとする。その申し分のない環境に住みながら、碁を知らぬ日本人がいるとは、何とまあお気の毒なことであろう、とは私の弟子の外人の口ぐせだけれど、なるほど、そんなことであるかも知れない。

 今でも読む価値のある本だ。
posted by たくせん(謫仙) at 08:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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