2011年02月28日

古代ローマ人の24時間

古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活

アルベルト・アンジェラ  訳 関口英子  河出書房  10.7

 この本は、かなり前に新聞の書評にあった。買うほどのものではないと思い、図書館に依頼した。予約が重なっていて時間がかかり、すでに頼んであったことを忘れてしまったほど。ようやく読むことができた。
 ローマ時代のローマについてさまざまな研究図書があるが、ほとんどは学術書で、庶民にその情報は届かない。それで見学者として語ってみたという。

        romajinnoseikatu.jpg

 衣食住から買い物・学校・公共浴場などの日々の生活。娯楽としてコロッセウムにおける剣闘士や観客。裁判所まで娯楽に入っている。
 貴族の饗宴から奴隷の厳しい生活まで、暮らしぶりの細かい解説書だ。
 ポンペイの遺跡には、当時の現場そのものが残っている。あちこちにある落書きや飾り、階段の磨り減り状態、道の轍の跡。ローマの遺跡もある。それらから導かれる、現代とは異なる習慣や道徳。都市なので共通するものも多いのは当然だが、その異なる部分は際だつ。
 広大な領土に人口は五千万ほどという。そしてローマには百五十万ほど。

 余談
 わたしは、約5000万と書かれると4995万〜5005万くらいを思い浮かべる。
 約五千万と書かれると4500万〜5500万くらいと思う。この本は縦書きで五〇〇〇万という書き方をしている。微妙だが約五千万の意味であろう。二桁目と三桁目の「0」は固定してはいないと思われる。
 あるとき80年代とか90年代の続きとして2000から2009年をどう言うかという話があった。2000年代では2000〜2999年を指しそうだし、00年代は言いにくいし、そもそもどう読むか。この話の結論はどうなったのだろう。
 漢字でも八十年代・九十年代・二千零十年代・二千十年代となって、「零十年代」は熟さないようだ。二千零年代では2000〜2099を指しそう。
 閑話休題

 時計は江戸時代と同じく変動制。日の出と日の入りを決めてその間を12時間とする。だから昼の一時間の長さは夏では75分、冬では44分。電気の無かった時代には合理的なのかな。
 わたしが興味を持ったものに、集合住宅インスラがある。7階建てくらいの高さがある。強度が十分ではないので、常に崩壊の危険の中にある。そしてトイレはないし、ガス水道などはもちろんない。
 この高層住宅インスラが、4万6000棟(これは横書き算用数字、本文中に縦書きで四万六六〇二棟とある)もあったといわれる。違法建築が多かった。下の方に裕福な人が住み、上層部は貧しい人が住む。エレベーターがないことと危険度からそうなるのだ。
 奴隷の数も多い。普通に5から11人、奴隷のいない人もいるし、多くの奴隷がいる人もいた。(総数は不明)
 こんなことから、巨大なキャンプ場のようだという。

 このように、様々なことを見たこと感じたことを旅行記を書くように細かく書いている。
 通説と実際の差という見方もあるが、わたしは通説を知らないので、それに対してはなんとも言えない。
 表紙の絵の大競技場は40万人の観客を収容したという。
posted by たくせん(謫仙) at 08:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
 古代ローマの高層建築は、確かに耐震基準なんてなかったんでしょうけれど、当時の世界の文化レベルを考えると、それが一般民衆ように存在していたという時点で凄いなと思います。むかしお話したかも知れませんけれど、メーターのように距離を自動計算するタクシーのようなものもあったとか。。。
 
 ところで、00年代のお話。
 SF本の出版業界ではゼロ年代という言い方が定着している模様で、早川などではゼロ年代作品なんていう形でアンソロジーなども出ております。世間的にはどうかわかりませんが、一部ではそれで定着しているようですよ。ゴロ的には悪くないですしね。
 
Posted by 樽井 at 2011年02月28日 23:30
樽井さん
民間の高層アパート群、たいしたものです。ただ継ぎ足しが多かったので、地震はなくとも、自然崩壊のように崩れたといいます。最初からそのように設計したら、もっと頑丈な家になったんでしょうね。
タクシーのメーター、わたしは初耳ですが、このような都市なら頷けます。

年代は、ゼロ年代ですか。零年代では熟さない。ゼロは日本語の中にとけ込んでいますから使えそうです。一般社会では使われた例を知りませんので、まだSFだけなのかな。SF社会では簡単に通用しそうですね。
Posted by たくせん(謫仙) at 2011年03月02日 07:30
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