2011年05月18日

われ笑う、ゆえにわれあり

土屋賢二   文藝春秋   1994.11

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 あまり面白い本ではない、これは本書を正しく理解している人の共通する意見のようだ、と著者もそう言っている。
 私のひととなりについていえば、容貌と性格と知能にはかなりの問題があるものの、しかしそれを除けば、これといってとくに欠点はないと言い切れる。
 エッセイのふりをしているが、「新しい哲学入門」と同じような哲学の入門書である。いろいろな問題を、すべて上記のような切り口で説明し(ようとし)て冗長になり、わたしにはわかりやすいどころか、かえって煩わしい。多少ふざけの部分もある。
 長大な落語を前座が演じるようなもの。面白い話も面白くなくなってしまう。
「学生との対話」という章がある。これなど井上ひさしの戯曲のようで、傑作ともいえるのだが、エッセイのふりをしたため、おもしろさが半減している。
 せっかくの題材が……、と思ってしまうのだ。
 おそらく、「初歩の哲学」とでもして哲学書にすればよかったと思うが、それならわたしの目に入る機会はなかったかも知れない。縁が有って読むことになった。ここに紹介したい本だ。
posted by たくせん(謫仙) at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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