2006年07月16日

綺羅星の如く居並ぶ

 綺羅星の如く居並ぶ、という言葉を使ったことがある。
 今回の綺羅は、小林覚九段・笠井六段・下島陽平七段・瀬戸大樹六段・万波佳奈三段・孔令文五段・倉橋正行九段・武宮陽光五段、インストラクターの伊勢さん・木下さん、と星のごとく居並ぶ。
 この使い方は見たことがないが、意味からすると間違いないはずだ。
 綺も羅も絹の織物。この言葉の綺羅はそれを着た華やかな人を指す。実際に絹を着ているわけではないが、素晴らしい人が大勢いる時の形容だ。高位高官が並ぶときの形容である。
 いま小説「写楽・考」を読んでいるのだが、その中に次の文があった。
 八岐大蛇伝説に関しては、それこそ綺羅星のごとく考察が試みられている。
 この文は流れから考えて、数が多いという意味にしか使っていない。「高名な著者の群れ」の意味ではあるまい。「綺羅が星の如く」ではなく、「考察が綺羅星のごとく」である。
 ふつう、気にしないで読み飛ばしてしまうが、この本の著者は、言葉にはかなり厳しい姿勢で、古い言葉など使いこなす人だ。現在ではそんな使い方が出てきたのか。わたしには誤用と思える。

 よく「目から鱗」というが、「目から鱗が落ちる」の後半を省略した言葉である。つまり、その省略されたことを知っているので意味が通じる。しかし多用されると元の言葉を知らず使う人が出てくる。そうなると意味も変わってくるか。
「綺羅、星の如く居並ぶ」も「居並ぶ」を省略しているうちに意味が変わってしまったのかも知れない。しかし、プロが本に書くのは、まだ誤用と言っていいのではないか。
posted by たくせん(謫仙) at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 言の葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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