2011年07月30日

小松左京氏死去

 小松左京さんが亡くなった。7月26日、肺炎のため大阪府箕面市の病院で死去した。80歳だった。大阪市出身。
 わたしは本屋に並んでいる小松左京の本は全て持っていたが、その蔵書は二十年以上前に妹のところに持って行ってしまった。手元には一冊もない。
 栗本薫が推薦する作家として司馬遼太郎・小松左京・大デュマ・アジモフを上げている。いずれもわたしの好きな作家だ。ただし読んだのはかなり前で、わたしの書庫には取り上げていない。
 ご冥福を祈ります。

 次の文は2000年5月に書いたもの。

 わたしは小松左京を古今を通じて最高の作家だと思っている。もっと量産した作家もいよう。もっと優れた着想の作家もいよう。しかし、総合的に見てもっとも優れていると判断する。
 着想のよさ。豊富な知識。ショートショートから長編まで。SFでしかもおもしろい小説を量産し、これらを現在再読しても今の作家と比べて決して遜色しない。芸能譚はその知識の深さに畏敬の念を覚える。女シリーズはわたしの小説の手本となっている。
日本SF黎明期から常にトップを走り続け、今では小説以外の仕事で超多忙の生活をしていると聞く。東京にある事務所は来る仕事を断るために存在するそうだ。これほどの作家を日本SF黎明期に得たことを誇りにしてよい。
 いわゆる純文学界では認められなかったようだが、当然である。売れない私小説を書いている人に値打ちが判るはずがない。売れない小説ならわたしでも書く。海外では私小説は随筆のようにとられ、小説とは認められないそうである。これらの自称小説家はエッセイなどの雑文を書いて生計を立てている。小松左京は小説で生活をしていた、つまり小説のプロなのだ。日本語の市場はそれだけの広さを持っている。
小説のような日本の旅行記もあった。映画化された作品もある。これらの傑作群が図書館にないのが寂しい。


 非公開予定の文なので、けっこう大胆な発言をしている。古今を通じては、「日本語小説の」であり、売れない小説でも本になっている小説と、ド素人の習作では天と地ほどの違いがある。
 書き慣れるに従って、その違いがよく判るようになる。と言ってもこの文を読んで苦情をいう人はいそうもない。苦笑するのみか。
posted by たくせん(謫仙) at 07:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 山房筆記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 牢屋壮一です。この項目で取り上げられている故『小松左京』の代表作と言えば何と言っても映画化、テレビドラマ化された『日本沈没』である事は言うまでもありません。私〈牢屋壮一〉が光瀬龍の『宇宙叙事詩』の項目の中で少し触れた『福島正実さん』が三省堂から出版した『新版SFの世界』と言う本の巻末にジャンルの括り別に掲載されている『SFベスト100』の中にも『破滅・戦争SF』と言うジャンルの括りで『日本沈没』は取り上げられています。
 実は私は日本沈没の『DVD』に夢中になっています。1973〈昭和48〉年に劇場〈映画館〉公開された日本沈没ではなく1974〈昭和49〉年10月から翌年の1975〈昭和50〉年3月にかけて『TBS〈東京放送〉系列』で全国放映された『テレビドラマ版』の日本沈没です。謫仙さんも知っての通り劇場公開版もテレビドラマ版も『東宝』が制作しておりあの『円谷英二』の流れを汲む東宝の特撮技術はこの作品の見どころの1つです。
〈もちろん特撮のみならず『人間ドラマ』も見どころの1つである事は言うまでもありません〉。
 テレビドラマ版の『日本沈没』の主題歌を歌っているのは今や演歌の大御所歌手の1人となった『五木ひろし』です。五木ひろしは第14話の『明日〈あした〉の愛』にゲスト出演しています。主題歌のタイトルも第14話のサブタイトル〈副題〉と同じ『明日〈あした〉の愛』です。このテレビドラマ版の日本沈没の『DVD』は全9巻ですが、私は残念ながらまだ『5巻』までしか持っていません。本当は『DVDボックス』で買いたかったのですが、バラ売りの単品で買ってしまったので今さらどうする事もできません。今さら『DVDボックス』で買い直す事など『お金』の無駄遣いの最たるものだからです。
 今回は以上です。
Posted by 牢屋壮一〈評論家〉。 at 2013年01月28日 22:03
好きだったら、揃えるしかないでしょう(^。^))
わたしは映画は見た記憶がありますが、ドラマは見ていないンです。
だからドラマの話は判りません。当時はテレビを持っていないころでした。
映画もほとんど忘れています。
小説でも「日本沈没」が代表作かと言われると、ちょっと違うなあと。
10本の指には入れますけど。
内容は忘れましたけど、いいなと思った小説を上げてみます。
結晶星団・さよならジュピター・地には平和を・復活の日・ゴエモンのニッポン日記・神への長い道・無口な女・虚無回廊・芸能譚シリーズ
今読むと違うかも知れませんよ。
Posted by 謫仙 at 2013年01月29日 17:53
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/217444999
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック