2006年09月19日

北海道3 函館2

 五稜郭のちかくに美術館があるが休館中だった。
        1-073.jpg
         これは館の前の像

 五稜郭駅から湯の川温泉まで行く。そこの熱帯植物園を見た。これはかなり充実している。そこには猿山もあった。北海道に猿はいないので本州から移動させたのだろう。猿の密度が濃すぎるようだ。
 湯の川から電車に乗り反対側の終点谷地頭まで行く。その先は立待岬がある。
 1キロも歩かないうちに石川啄木一族の墓がある。
        1-082.jpg
        東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる
 処女歌集「一握の砂」の冒頭の歌である。
 この歌集の前にも多くの傑作があり、どこへ出しても入選するほどだったが、それらは古い歌として全てを捨て、新しい歌に取り組んだ。それが一握の砂である。ただ古い歌の代表として、この一首だけを残した。
 函館には蟹はいないのでこの蟹とは「洋文字」のことだ、という説もあるようだが、この一首だけは、他の歌とは作られたときが違う。
 この他にもいろいろ啄木の記念はあるようだが、見たのはこれだけである。
        1-083.jpg
 啄木一族の墓から見下ろす。函館の街が見える。
 これは解説板だが、隣の墓の奥にあるため、まるでそちらが啄木の墓のようだった。

1-088.jpg
 間もなく立待岬につく。ここが函館の最南端である。ただし、地理的には写真に見える岬が最南端。
 付近には与謝野晶子夫妻の歌碑もある。あまりいい歌とは思えないので割愛。
 「立待」から十七夜を連想したが、この地名はアイヌ語のヨコウシに因む。ヨコウシは待ち伏せするところ、すなわちここで魚を獲ろうと立って待つ、という意味。
 あたりはハマナスが群生している。花は一輪だけ。赤い実が沢山なっていた。小さなトマトを思わせるハマナスの実を、アイヌの人たちは食料にした。
 立待岬をあとにして、山の中の車道に入っていく。碧血碑を目指した。二キロ近く歩いたのではないか。もう雨雲は遠離り、真夏の暑さになっていた。

1-095.jpg
 碧血碑は山の中腹に建つ。金庸の碧血剣を思ってしまう。
 函館戦争で戦死した土方歳三などの霊を弔う碑である。明治八年の建立だが、当時は公然と弔うのははばかられたという。
なお碧血とは、「義に殉じて流した武人の血は三年経つと碧色になる」という中国の故事に基づく。当時の人たちはこういう言葉を知っていたのだ。

1-098.jpg
 終点の谷地頭に近づく電車。これに乗って二線の分岐点十字街まで行く。再び金森倉庫群の近くの散策である。高田屋嘉兵衛の資料館もある。
1-101.jpg
 昔の面影を残す建物だが、新築の料理店である。

 最後に朝市について。
 駅の近くは朝市で有名。わたしは買い物や食べ物に興味はないので、いや食べ物に興味はあるが、金に糸目をつけるので、紹介できるようなものを食べていない。
1-102.jpg
 これは水槽に泳いでいるイカを釣って、その場で刺身にしてもらって食べる所。
 1パイ1700円。わたしには手が出ない。
 この日の新聞で、函館の魚市場で1パイ1000円だという。高値で業者も困っているという。いつも出している定食などの値をそんなに高くすることができないからだ。しかし、1700円はいつもの値段か?
 札幌では普通の値段だったので、函館だけの現象らしい。津軽海峡に回遊するイカが少ないようだ。
 タラバガニ1万円・鮭8千円などと見ていると、決して安くない。品質の問題もあって値段だけでは決められないが、観光地値段であろう。
 イクラ丼・ウニ丼などは2千円4千円などとあり、わたしは食指が動かなかった。そのため写真もない。
 一般に魚介類は東京や大阪などの大市場に集まり、そこで値が付けられ各地に散るという。いいものは東京に集まる。おそらく値段は東京の方が安い。
 産地の魅力は、たとえば薬漬けではない生のウニが食べられるかも知れないこと。わたしは残念ながら薬漬けしか食べたことがない。

 29日の午後、札幌行きの特急電車に乗った。
 窓外の景色は森や畑ばかり。線路脇の電柱のてっぺんにいるのは鷲ではないか。カラスよりかなり大きい。独特の模様と鋭い嘴。空を見れば7羽ほどが群れて飛んでいる。畑に出没するネズミなどを狙っているのであろう。
 函館から札幌まで3時間320キロ、これは東京から仙台まで(350キロ)に匹敵するではないか。北海道は広い。
posted by たくせん(謫仙) at 07:31| Comment(6) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
北海道に行かれましたか。函館はいいですねえ。私もかなり前のことになりますが、行ったことがあります。函館山にも行きました。夜景は今でも思い出しますが、これはきれいというのだろうか。
ただきらきらすればいいというのは、どこかなじめません。
ここの写真では谷地頭に近づく電車の写真が生活のにおいがしていいのではないか。私の好みです。
網走や釧路の写真も楽しみにしています。早く発表してください。(笑)
Posted by mino at 2006年09月21日 21:32
minoさんも行かれましたか。
あの夜景は、美しいというのとは少し違いますね。銀座の夜景もそうですが、感性の違いかあまりきれいとは思いませんし。
それは別にして見る価値はありますね。夜の超高層の展望台も同じようなものでしょう。
谷地頭はあの女の子の存在感が大きいでしょう(^。^))。
次回は網走になりますよ。
Posted by たくせん at 2006年09月22日 07:34
頬につとう なみだなぐわず一握の 砂をしめしし 人をわすれず。

たわむれに 母をいだきてそのあまり 軽さに泣きて 三歩あゆまず。

ふるさとの 山に向かいていうことなし ふるさとの山は ありがたきかな
Posted by 龍之介 at 2006年09月23日 05:46
啄木の歌は佳句の連発ですね。
おそらく歌集に残された歌の何倍もの歌を作ったことでしょう。その中から選ばれた歌。

ある人が世界から人が集まる会の時、各国それぞれの短い詞を紹介し合おうとなりました。その時紹介したのが
  たわむれに……
それを訳したところ、集まった人たちが、ぼろぼろと涙を流したといいます。

わたしはその話に感動しましたね。わたしからも啄木を一首

浪淘沙ながくも聲をふるはせてうたふがごとき旅なりしかな
Posted by たくせん at 2006年09月23日 08:13
 牢屋壮一です。函館ですか。私も函館には全国のJR全線の普通列車〈快速列車も含みます〉に乗り放題の『青春18きっぷ』やJR東日本とJR北海道エリア限定で普通列車〈これも『快速列車』を含みます〉乗り放題の『北海道&東日本パス』を利用して何度も行きました。
 この項目に掲載されている写真にもあるように函館には『路面電車』が走っています。市営の路面電車〈市電〉ですが、私も函館に行く度に乗っています。謫仙さんも知っての通り函館の市電の運賃は『都電』と違って全区間均一運賃ではなく乗車した距離に比例して金額が高くなる『対キロ区間制』です。
 謫仙さんも知っての通り函館と言う所は今や演歌の大御所である歌手の北島三郎〈サブちゃん〉の出身地です〈正確にはサブちゃんの出身地は青函トンネルの出入り口がある『知内〈しりうち〉町』と言う所です〉。函館には『北島三郎記念館』があるそうですが、残念ながら私はまだ見ていません。
 私は旅行中の宿泊は『野宿』です。宿泊費〈宿泊代金〉を節約〈浮かす〉する為です。又、旅行中の『お風呂』と言うか『入浴』は公衆浴場〈銭湯〉です。函館市電の終着駅〈停留所〉に『湯の川温泉』と言う停留所があります。この『湯の川温泉』の停留所の近くに公衆浴場〈銭湯〉がありますが、この銭湯で私は入浴した事があります。函館を始めとする北海道の『道南地方』には道南の名所を歌詞に盛り込んだ『道南口説』と言う民謡がありますが、私が入浴した湯の川温泉の近くにある銭湯の女性店員に『道南口説〈くどき〉と言う民謡を知っていますか』と聞いたところ、その銭湯の女性店員は『知らない』と私に答えてくれました。謫仙さんは、この『道南口説』と言う民謡を御存じでしょうか?
 今回は以上です。
Posted by 牢屋壮一〈評論家〉。 at 2013年01月17日 14:29
牢屋壮一さん
わたしは野宿(ステーションホテル)をしたことはありません。登山のときに真夜中に現地について朝まで数時間過ごしたことはあります。
北島三郎記念館、はいありました。わたしは入りませんでしたけど。京都の美空ひばり記念館は入ったことがありますよ。
『湯の川温泉』は近くの熱帯植物園に行きましたけど、温泉には興味がないので、あるかどうかも聞きもしませんでした。
民謡というのはどういう経緯でできたのか判りませんが、題名さえ存じません。まさか白秋作ではないでしょうね(^_^)。

函館は路面電車が便利なところでした。何度も利用しましたよ。
Posted by 謫仙 at 2013年01月19日 08:34
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック