2006年09月21日

北海道4 小樽

 土地の人が「こんな所のどこがいいんだ。高い金を使ってわざわざ見に来るのが信じられない」というのが小樽である。
 小樽でただ一つとも言える観光資源は運河であるが、運河とは名ばかりの船が出入りするだけの港の変形であり、外洋に繋がっているにもかかわらず、水は汚れていて、とても水辺の趣はない。

 その運河だが本来はこの2倍ほどの広さがあったという。そうであろう、そうでなければ小さな船しか出入りできない。そして2倍の幅があっても大きな船はいちど海で荷物を小舟(艀=はしけ)に積み替え、そのはしけがこの運河を行き来していたのだ。

 駅を下りると観光案内所で小樽の観光地図をもらう。東西南北が九十度ほど回転している。このような地図だと、たとえば四つ辻ではどちらに行けばよいのかというとき、判らなくなることがある。
 駅から運河に向かって歩く。ちょっと洒落た商店街があったので右に曲がった。わたしの目的はネット喫茶を見つけることだが、それは空振り。
 寿司屋通りで左に曲がり運河に向かう。

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 昔の鉄道手宮線の跡がある。この線路は北海道の鉄道の始まりだという。新橋横浜間に鉄道が開通し、次に神戸大阪間、そして三番目が、この小樽札幌間なのだ。昭和の半ばまでは、札幌より小樽の方が経済的に発展していたという。その記念すべき鉄道の跡だ。
 明治13年に開通。駅は、小樽−開運町−銭函−札幌。3時間かかり、料金は上等1円。一日一往復だった。

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 しばらく歩くと堺町通りがあったので、右に曲がってその通りを歩く。この商店街は今回の旅で一番いい雰囲気の道だった。歩くのが楽しくなる道である。こういう道の良さは住んでいる人には判りにくいかも知れない。途中で引き返して運河に行く。
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 運河にはどぶ川が流れ込む。写真では判りにくいが、水は汚れた感じ。これでもかなりきれいになったという。写真の左側の遊歩道やその左の道路も昔は運河であった。運河の幅は半分になっている。
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 遊歩道の壁にはこんな説明板もある。この荷物運びを仲仕という。沖で大船からこのはしけに荷物を運ぶのを沖仲仕、はしけから陸に運ぶのを陸仲仕という。狭い板の上を二俵の米を運んでいる。二俵では百二十キロある。一俵づつでは時間がかかるからである。この舟の係留費はかなり高かったのだ。初めは石炭や木材が多かった。それは積み出しであろうか。この図は米を運び入れている。今では米作地帯の北海道も当時は米は少なかった。
 そして、この仲仕は自営業である。つまり、事故が起こっても自分の責任。もし荷物を落としてしまったら、損害賠償までしなければならない。過酷な仕事であった。
 それにしても、どうして天秤棒を使わないのか。二俵なら振り分けて一荷になって、安定する。
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 運河沿いに並んでいた倉庫(旧大家倉庫)、この手前の道も昔は運河だった。このあたりにくると観光客は少ない。しかもこの北側(北運河)こそ、昔の運河の面影を強烈に残す所なのだ。運河の幅も広く昔通り。

 インターネット喫茶を探したが、30分で700円、高い(涙)。空いていたはずだ。普通はたとえば最初の一時間が400円で以後15分ごとに100円ということが多いが、ここは基本料金400円ブラス15分100円だった。網走のホテルを予約して札幌に戻る。

おまけ
 小樽郊外の水族館によった。かなり空いていた。はたして平日のせいだけか。
客が餌を投げるとアザラシが受ける。
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 こうして餌を待つアザラシ、芸達者じゃござんせんか。
posted by たくせん(謫仙) at 06:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おっしゃるとおり、運河そのものは実にくだらない所。短い堀割のようなもの。狭い港ともいえる。
価値はその歴史でしょう。絵画などでも美術的価値のあるものと、博物的な価値のあるものがあるように、この運河は、美術的にはともかく、歴史を持つ博物的な価値があるのではないかと思います。
小樽に行ったら見ておくべき所と思えます。
Posted by mino at 2006年09月22日 21:19
 そう、歴史ですよね。古いからと処分せず、歴史的に意味があるものは、残しておく。
 とくに運河と人との関わり合い、この仲仕の記録は大事です。
 各地の首長の中には昔遊郭が流行ったと自慢する人がいる。それは繁栄ではないだろう。あまりの貧しさに身売りしているんだ。と叫びたくなる。失政の記念だと思います。

 まあ地元の人はこの価値は判りにくいでしょうね。外からいわれて気づいたり。なんか日本のことを言っているようですが(^。^))。

Posted by たくせん at 2006年09月23日 07:58
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