2012年03月12日

中国国宝展

 これからしばらくは、過去の本を紹介する。
 ホームページに紹介していたものであるが、ブログに移しきれず残っていた。ホームページのころは、まさに本の紹介のみであった。しかも残っているのは、今紹介しても、もう手に入れることはむずかしいかな、とおもう本ばかり。
 ブログになってから紹介した本は、詳しく書くようになったが、本の紹介であることは変わりない。書評とは異なる。

中国国宝展

朝日新聞社    2000.10
東京国立博物館 朝日新聞社 日中友好協会

   chugokukokuhou2000.jpg

 中国各地から集めた、質の高い展覧会である。20世紀の締めくくりともいうべき時に、これほどの展覧会を見ることができたのは、幸せであった。中国の歴史を一望するような感じである。例をあげる。
 始皇帝の兵馬俑がある。
 この兵馬俑の顔は、大きな鼻に特徴がある。秦民族の特徴らしい。写真を見るとよく判る。
 三星堆の黄金仮面がある。
 漢民族とは異なる民族で、あらゆる意匠が漢民族の常識を覆す。世田谷美術館で、この三星堆出土品だけの展覧会が開かれたときも見に行った。
 死体をくるんだ玉衣がある。
 玉を薄くして、パッチワークのようにつなぎ、つま先から頭の上まで体全体をくるんである。皇族が亡くなると玉衣でくるむという話は聞いていたが、見るのは初めてである。数えてみると顔だけで10×10で100枚使っている。
 文字の彫られた西周の盤がある。
 紀元前千年ごろの文字を、今でも肉眼で普通に読むことができる。まだ文字のない時代の、模様入りの土器や石器。細かい彫刻の入った玉器。もちろん有名な青銅器も。さらに、出土地の様子も紹介している。
 表紙の写真は、青州市博物館の菩薩立像。青州市龍興寺址出土、六世紀。表情が豊かであることよ。これ以外にも仏教美術品は多い。

 日本語の解説も詳しい。

   …………………………
 陳舜臣さんの挨拶があり、その文明論はこの本でも納得できる。
「1920年ころまで、中国には石器時代がなかったと考える人の方が多かった。」その理由に、
中国人は「文明国であるわが国に、石器時代のような野蛮な時代はなかった」
西洋人は「アジアに優れた文明があるはずがない。西の人間が文明ごと移住したに違いない。」
と東西の中華思想があって、石器時代がなかったという神話が生まれた。という。
posted by たくせん(謫仙) at 09:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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