2012年06月03日

もやしもん

石川雅之   講談社   2005
 わたしにとっては珍しい劇画を紹介された。かつてブームを起こしたらしい。知らなかった。
 種麹屋のことをもやし屋という。その種麹屋の息子「沢木惣右衛門直保」と結城酒藏の息子「結城蛍」が農大に入学したところから物語が始まる。学園もの。
 沢木は菌を見るという特異能力の持ち主。顕微鏡で見るようではなく、菌をかわいい姿として見ることができ、話すこともできる。普通に肉眼で見るというのは設定が無理。それとは異なる見方だ。超能力?
 第一巻目は常識外れな農大のあれこれの紹介と言っていいだろう。特に発酵専門の樹(いつき)先生と助手のような院生長谷川遥を中心としたグループに、ふたりがかかわる。先生たちにとっても沢木の特異能力は貴重。
 腐敗と発酵の差の話が中心になる。
 ヒオチ菌というのを知った。酒に他の菌が入って、味を変えてしまうもの。生酒ならともかく醸造の段階で入ると腐造という。もちろん売り物にはならない。結城酒藏はそうなった過去があり杜氏は首を吊っている。これでかなりの藏が倒産したらしい。(そういうことは知っていたが、それをヒオチ菌ということを知ったということ)
 酒はヒオチを防ぐため、火入れ(加熱殺菌)をする。火入れしない酒は生酒といい、冷蔵保存せねばならない。
 ともかく、人間と菌との複雑な関係を教えるおもしろい劇画だ。

 第二巻は春祭の話が半分、これがあまりおもしくない。……でも前半はおもしろいので、少なくとも紹介するだけの価値はある。特に酒(日本酒)に関する蘊蓄がいい。これだけでも読む価値あり。

「もやしもん 続き」に続く
posted by たくせん(謫仙) at 07:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
図書館にあったので、私も一巻だけ読みました。
(二巻は貸し出し中)

発酵の世界は面白いですね!
発酵食品は好きですが、
やはり生活中でのカビ等は遠慮したい所です。

菌が見えると、生活しにくいような気もします。
(ちょっと痒くなってしまいました)
Posted by 阿吉 at 2012年06月06日 11:47
便利ではありますが、沢木も生活はしにくいようです。
発酵をはじめ菌の世界は奥が深く、人にどれほど影響するのか極めることは難しい。
ともかく菌がいないと人は生きていけない。このことを表に出した劇画ですね。
先人の英知に脱帽です。
Posted by 謫仙 at 2012年06月07日 07:46
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