2012年07月08日

なみだ研究所へようこそ

なみだ研究所へようこそ
  サイコセラピスト探偵 波田煌子
鯨統一郎   祥伝社   2001.4

 22歳という若いサイコセラピスト波田煌子(なみだきらこ)が相談を受け、瞬く間に事件を解決してしまう。その直感やひらめきは、天才的。
 新米の臨床心理士松本清は、見習いとしてなみだ研究所へ行く。そこには所長の波田煌子と事務員の会計士のふたりだけ。そして話をしているうちに、波田のあまりに幼稚な知識や行動に、これで患者を治せるのかと呆然としてしまう。ところが波田はいろいろな資料の中のたった一言で急所がわかり、信じられないようなみごとな推理をして患者を治す。
 ユーモア推理小説といっていいのかな。

 いつものことながらこの作者は、普通の人には気がつかない偶然のようなことで、真実に迫る。実はそれも一つの説にすぎないのに、絶対値を持たせてしまう。
 だから読んでいて、それでは解決しないだろうと思うのに、解決してしまう。そこが天才的なひらめきでユーモアで、それを面白いと思った。小説なのだ。

 間違いではないが、現実にありえないと思うことがある。会計士がこのような小さな組織の会計や事務を担当するだろうか。特別な事情があったと思うが、それには触れていない。

   …………………………
 わたしは臨床心理士とは架空の存在だと思っていた。SF小説上だけの存在だと。
 ところがネットで検索すると現実に存在する。いままで臨床心理士を扱った小説でとんちんかんなことを書いたことはないかと、考えてしまった。
posted by たくせん(謫仙) at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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