Cさんの訃報が届いた。
Cさんはわたしより十歳ほど上であった。わたしが千寿会に入ったころ、Cさんも千寿会に入った。棋力はほとんど同じ、棋風もよく似ていた。そのため千寿先生も指導碁の解説をするとき、勘違いしたことがある。棋風が似ているので、そのままわたしにも当てはまるのだ。
安倍吉輝九段がスイス青年のD君を巣鴨の本妙寺に案内してくれたとき、わたしと亜QさんとCさんも、一緒に行った。
(本妙寺 本因坊家の墓)
いまは冥福を祈るのみ。合掌。
さて指導碁のあとMパパと対局。二子を置く。パパといっても大学を卒業したばかりの青年。

黒4は当然ハネだが、なぜか急に図の黒4がいい手に思えた。悪魔の誘惑だ。あとは地獄へ一直線。2目とられ、後手をひき、ここですでに二子の有利さが消えている。これからの勝負とはいえ、もともと三子の棋力差があるのだ。ここで勝負がついてしまった。
この後は打ってみたにすぎない。m(__)m。
水間さんと小林健二さんが名人戦の解説。

右の数字のない黒石、69手目を打ったところ。
その前の白68で、これでは一団の白が生きていないから、苦労したので、1路右に打ったらどうか。という質問が出た。
水間さんは「それは立派な手です。普通はそう打ちますが、実戦では打ちにくい。こう白68と打ちたくなります」と言い、健二さんも賛同した。
これが半目を争うプロの感覚らしい。すんなり生きたら1目得。この時点で明らかに1目損な手は打ちにくい。
白38がこの碁の岐路になるらしく、いろいろ意見が出たが、この説明はわたしの手に余る。