2007年02月27日

死活

 高川囲碁読本の第5巻「ヨセと死活」に死活の基本形として次のような図が載っている。別々に載っているのをわたしが集めた。
     ki2.jpg
       1図
 この形は「黒先で活き」と詰碁の問題として出されれば、一桁級位者なら正解が出せるだろう。特に右上など一目で答えられる。それが実戦で現れると間違うのだ。

     ki1.jpg
       2図
 この左下は基本形の最初にあげられている形だ。もちろん黒はどう打っても活きない。
 スミの石を殺そうとするとき、最後まで読むことはなく、この形になるようにすればよい。この形にひとつ広げた形が左上と右上だ。黒が先に手を入れれば活きる。白が先なら黒死。
 黒が両方広げた形の右下は、白がどう打っても黒は活きる。
 先日、ある碁会があった。そこで、級位者ふたりに対して一局づつ指導碁を打った。ふたりとも一桁半ばの級位である。6子局であった。
 そこで、左下の形が1回、左上の形が2回も出てきた。ふたりとも気づいていない。
 まわりの白が活きて黒を攻められる状態になったとき、ここを説明して手を入れさせた。
 局後、詳しくこの形を説明したのだが、理解できたかどうか。特に大きなしっぽが付いていると、気づきにくい。 

 1図の答は次のようになる。
     ki3.jpg
 1は知っていれば第一感として目が行くが、知らないと2路上の手を考える。
 2は知らないと気づきにくい。
 3は実戦では打ちにくい手だ。1−4(4−1)の下がりを打ってしまう。

 この本はわたしが7級のとき読んだ。その後も何度か読んでいる。基本の2図を理解したのは入段してかなり経ってからである。どこかでこの説明があって感心したが、思い出してこの本を開いてみたら、きちんと説明しているではないか。読んだ当時は頭で判っても実戦では利用できなかったのだ。
 1図の答の1や2は今でも間違う。相手に次の手を打たれてから間違いに気づく。上達しないはずだ。
posted by たくせん(謫仙) at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 囲碁雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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